(An Interview with Jessica Porter)
ジェシカ・ポーターへのインタビュー
Julia Ferre
ジュリア・フェレー
ジュリア(以下JF):
フレンチ・メドウズのキャンプにお迎えできることがワクワクしています。ずっと参加して欲しかったですから。
ジェシカ(以下JP):
ありがとう。ワクワクしているけど少しナーバスなのよ。Burning Manのイベントに参加したこともあるし、自分が生まれ育ったカナダでのサマーキャンプに毎年参加していたわ。私の頭ほどもある大きさのクモが生息しているアマゾンのジャングルに行ったこともあるけど、経験豊富なキャンパーたちの前だとぎこちなくなっちゃうのよ。
JF:すごく自然にキャンプに溶け込めますよ。集まってくるのも普通の人ですし、醜態もきちがいな事も何もないですよ。キャンプでは何をされるのですか?
JP:催眠療法とジェンダーについて話すわ。男性、女性について、それぞれの性の脳に関して最近分かってきた神経科学について、そしてマクロビオティックで学んだ男女の陰陽との関係についてね。とても面白いわよ。
JF:男女はそれぞれ違った脳なのですか?
JP:マクロビオティックで私たちが身体を比べた際、男性には逆三角形を、女性には通常の三角形を当てはめるわよね。それぞれのジェンダーの根本についての研究がいくつかあって、次の本を書くために多くの本を読んだわ。その中でThe Female Brain、The Male Brain、Why Gender Mattersという3冊の本があるの。The Female BrainとThe Male Brainの2冊は女性の神経科学者が書いて、Why Gender Mattersは男性の心理学者が書いたものね。男性の脳の中心にはセックスや攻撃性があって、女性の脳の中心には感情やコミュニケーションがあるのね。
別の点では男女でストレスに対する対処方法が違うことね。女性は副交感神経系、マクロビオティック的に言えば陰性なストレスへの対処法を取るのね。例えば、あなたや私がストレスでつぶれそうになったら、まずは休憩をとるとか、眠るとか、吐きだすとか、気絶とかするわけね。私たちはとにかくストレスを感じる場から離れたいのね。男性がストレスと感じると交感神経系に押しつぶされけど、プラスの影響もあるみたいね。困難に立ち向かうといったほうがよいのかしら。アクション映画を見たり、殴り合いをしているのを見て興奮したり。必ずしもそうしたいわけではないんだろうけど、神経系がプラスに反応するのね。女性だったら「つまんない」とか言ってため息だしたり、映画館から出て行っちゃうこともありうるわね。
JF:あるいはその場で眠ってしまうか吐いてしまうかもしれないですね。
JP:文字通り逃げ出したいと思うわね、女性だったら。ボクシングの会場にはそんなに女性はみかけないでしょ。他の違いとしては、問題を解決する方法が男女で違うと思うわ。脳内には問題解決の際に使う2つのニューロ処理機能があるの。片方は分析的なもので、もう片方は共感的なものね。男女ともにどちらの機能も使えるけど、女性は共感のほうで男性は分析のほうにたくさん時間を使うわ。カップルの間のお約束があって、カップルが仕事から帰ってきて彼女のほうが「今日はさんざんだったわ」と言うと、彼氏のほうはそれをどうにか解決しようとするわけ。彼はすぐ分析したがるわけだけど、彼女からすればただ話を聞いてほしいわけね。彼女はただ共感してもらいたくて、それだけで問題が解決したと思えるのよ。
他にもあるわ。男性の目は動くものを捉えるようになっているの。鴨をハンティングしたり、パックがゴールに入るのを見たり、傍を歩く女性の胸を見たりね。スポーツ、戦争、セックス、みんなハンティングや動きに関するものよね。(一般的な話としてだけど)小さい男の子が学校に入ると、たいていの子は灰色、黒、黒紫のマジックペンを使って、何かがどこかに突撃した絵、例えばロケットが地球に衝突した絵とか、剣があちこちに飛んでいる絵とか、車がすごい勢いで入っている絵とかを描くけど、ふつうの女の子はたくさんの色を使って家族や太陽、木がある家を描くと思うの。女性の目は元々、肌触りや色、顔の輪郭を捉えることに長けているのね。女性は男性よりも聞く耳をもっているし、自然と心も広いのね。男性は女性よりも血の気が多いし、赤血球の量も多いわ。
JF:どうして男女の身体はそのような発達を遂げてきたのでしょう?
JP:文字通り陰陽の性質によると思うわ。これらは全て相補的ですもの。私が神経科学を面白いと思うのはマクロビオティックの哲学が全くその通り当てはまるからなのよ。神経科学では陰や陽という言葉も使わないし、そのダイナミズムを説明することはないけどね。複雑すぎて私も説明できないわよ。私が新しく書いた本のターゲットは女性なの。彼女たちが食卓に素晴らしい花(共感、コミュニケーション、感情や養育そしてシェアすることが元々好きな傾向)を知らず知らずのうちに咲かせていることを説明したかったのよ。
小さい女の子はみんなシェアすることが好きだろうし、男の子は競争するのが好きだと思うの。どちらが良い、悪いという訳ではないけど、世界が女性の力をこれまで以上に必要としていると思うの。特に私たちの世代の女性が本来持っているモードがとてもプラスに働くし、絶対必要とされているはずよ!
ある国にまだ人が住んでいない場合やフロンティアが未開拓のままになっている場合、政治の制度がまだ未整備な場合には大きな陽の力が必要だけど、社会がすごく速く動いて、圧迫を受けて、自己中心的で乱暴で、欲望のなすがままになっている所まで来ていると思うの。まるで陽性が暴れまくっているみたいにね。質の高い陰性も不足しているのよ。女性にはこの天性(陰性)が備わっていることをみんなに証明したいのよ。彼女たちが自然な食べ物を食べればこの天性の女性性を自由自在に使いこなせるようになるし、自分の身体、夫、家族、世界とのバランスを取ることができると思うの。本当よ。政治的フェミニズムという言葉があるけど、家長政治のなかで家庭の奴隷になっている女性を救い出す上ですごく大切なことよね。女性には役割もあるし、声も選択もある。今こそ女性が生来のギフトを見つめなおす時だと思うわ。
JF:本のタイトルは何ですか?
JP:The MILF Dietっていうタイトルよ。MILFは “Mother with whom I’d like to fornicate (魅力的な母親) ”っていう意味で、お世辞言葉としてすぐ使われるようになったわ。魅力的な女性を言い表す言葉が他にもあるあるけど、これがほめ言葉だと思う友達がどれだけいるのか興味があったのよ。ゆっくりとその意味が分かってきたの。この言葉は母親らしさとセクシュアリティを同時に意味するんだってことをね。良い女もいれば悪い女もいる、母親であると同時に娼婦でもある、マドンナ/売春婦が入り乱れた複雑な世界に私たちはいるのよ。
JF:MILF以外の女性は存在しないのではないでしょうか?
JP:そのとおりよ。MILFという言葉には癒しの力があるの。もう20年来知り合いのマクロビオティックを実践している女性たちをみていると、ほかの女性と比べて年をとるペースが全く違うのよ。セクシャルな魅力を保っているし、子供のたくさんいる、正真正銘のMILFよ。それに彼女たちは普通の女性たちが努力して獲得しようとしている霊性、頑強性、地球との連帯感を持っているの。私が本を書こうと決めた動機には彼女たちが私の先生であり女性のモデルだったからなのよ。年数で合計すると400年マクロビオティックを実践してきて合計37人の子供がいる女性たちよ。彼女たちからレシピをもらい、彼女たちの経験を受け継いだのよ。
この本はMILFとは本当にどういう意味なのか、そのことを書いたものなの。「私はMILFになるわ」みたいな政治的な意味合いも文字通りそこに込めたつもりよ。私自身は母親ではないけれど、母親の年齢にはなれるし、女性がそうなることは力強い意味があると思うの。私が知っているMILFは本当にMILFな感じなの。彼女たちはバランスを本当によく理解しているのよ。この本はバランスとバランスの英知、いかにしてバランスを手に入れるか、そのことについて書かれた本なのよ。個性について、病気の陰陽について、食べ物の陰陽について触れているところもあるわ。MILFセックスについて、セックスの陰陽についても書いたわ。セックスが単なるオーガズムであり、それを得られないことは失敗というふうに考えるはめになった世界に私たちはいるのよ。女性のオーガズムについての研究があって、3割の女性が一度もオーガズムを経験したことがないみたいなの。
JF:目標志向なわけですね?
JP:そのとおり。バランスという目標を達成しないといけないのよ。そこで私は聞くの、エネルギーの話を聞いたことがある?二人の間でのエネルギーの交換の話は?陰性という言葉は?ってね。女性なら知っているように、セックスは解放なの。本の中では来る(coming)んではなく離れる(leaving)しなさいと書いているの。
オランダのある研究では男性と女性ではオーガズムに対する認識に差があるみたいなの。男性は気持ちさというのが土台にあって、セックスの際のオーガズムの気持ちよさに喜びを見出すのよ。女性も肉体的な喜びがあるのは疑いようもないことだし、感じやすい時もあるわ。ホルモンや化学的な側面から見た女性にとってのオーガズムは10分間の完全な精神的、感情的なストレスからの解放ね。それがゾーンと呼ばれるものよ。
副交感神経系をリラックスさせる効果がある?
そうね。ゾーンよ。そこにいくことが素晴らしくないとはいっていないの。全ての女性性を活性させることで喜びが得られるの。ホッケーの試合でゴールを決めるのを試合終了間際まで待つ必要はないもの。
JF:素晴らしい本ですね。発売はいつ?
JP:今は表紙の検討をしているところで、今年の秋には出版予定よ。300ページの本で初心者向けではないわね。すごく洗礼されていて、女性のための本ね。フェミニストのたえのトロイの木馬と私が読んでいる本よ。
JF:マクロビオティックの領域を超えた女性に対してこの本を書かれたのですか?
JP:そうよ。マクロビオティックという言葉は使っていないけど、私の最初の本についても触れているし、まえがきで久司道夫とアヴェリンに感謝の一文を書いたの。マクロビオティックという言葉を使わずにその教育に触れて、その世界に入ってほしいのよ。道夫とオーサワには敬意を払っているけど、マクロビオティックという言葉はちょっと硬いのよ。それでもこの言葉がまずは一般の人々の関心を生み、私自身がマクロビオティックを広めるために使う言葉が彼らの興味を生めばと願っているわ。
JF:The Hip Chick’s Guide to Macrobioticsという本が果たした役割は?
JP:マクロビオティックに関心がある人の枠を広げたと思うの。6万~7万部売れて、マクロビオティックの初心者向けの本になったと思うわ。女性、特に子供のいる女性たちに台所に立つことがこれまで彼女たちが想像した以上に力強い意味合いを持つことを教育し、知ってもらうことがとても大切よね。私たちがよく知っているフェミニストな母親は「台所からでていけ!」っていうけどね。なんでも結局は表と裏があるのよ。
JF:執筆されているマクロビオティックの本の内容があなた自身のこと、性的な面、母親の側面、仕事の面、家庭の面、すべて書いてあるということは素晴らしいですね。
JP:陰性な面ね。霊性、愛、コミュニティ。キリスト、マーティン・ルーサー・キングJr、ネルソン・マンダラ、ガンジー、彼らは自分たちの女性的な側面を見せていたのよ。女性は確実にこの面を持っているわ、だって眠っているうちにやっちゃんだもの。人格障害でひねくれていないか、子供のころに ドジってたなら、本質的にお互いに楽しく助け合うのが女性のはずよ。男性は女性が必要で、女性も女性が必要なの。アメリカとカナダには既婚女性よりも独身女性の数が多いことを知ってる?
私の女性友達が独身だってことを嘆いているときはいつもこう言うの。「独り身の間に自由を楽しみなさい!わたしたちが人類史上例を見ない世代だってこと知ってる?二度とこんな世代に出会わないのよ!」ってね。このパーティーが終わりを迎えるように化石燃料を燃やし続ければいいのよ。振り子の反対にまで果敢に行く女性になったらいいじゃない。何かを実現させること、それがどういうことなのか確かめてみればいいじゃない。昔はそれさえも禁じられていたのよ。女性は主人のモノでしかなかった時代よ。宗教や仕事のリーダーになることも、夢を実現することも許されてこなかったの。私たちの自由はすごく貴重なもので、すごく素敵なもので、民主主義と同様、しっかりと守り維持されないといけないの。永遠にこの場所にあるわけではない。女性は人生を本当に生きることができる、たとえそれが何を意味しようとね。私はそのことを信じているフェミニストの娘であることを誇りに思うわ。
誤解しないでほしいのは、私は男性がとても好きってことよ。ほとんどの本は女性向けに書かれている理由は、私たちの文化では台所に立つのが女性だからよ。勿論いつもではないけど。もちろん男性が台所に立つのも素晴らしことだと思うわ。たくさん料理が作れるマクロビオティックの男性の友人たちにはいつも感心するし、感動するわ。美しいし、魂で満たされた人たちよね。でも他人を成長させるのは女性性の働きだから、私たちにはもっとバランスのとれた子供、友人を作る力があるの。
JF:健康な社会と世代を作る働きもあると?
JP:そうね。女性ならできる一番力強いことの一つね、きっと。議員の方にもディナーを作ってあげられるわよ!
JF:今の世の中の現象をポジティブとネガティブ、どちらに捉えていますか?病気の人が増えている一方で意識の高まりがみられると思いますが。
JP:状況次第よね。救急箱を片手に地獄に落ちるかもしれないし、目覚ましい進歩を遂げるかもしれない。健康食の世界に出会って、近くの健康食品のお店に入ったらすごく埃っぽくて、豆腐も大きな5ガロンの容器に入っていて、そこにいた皆目を丸くしていたわ。20数年がたった今、玄米や有機食品はアメリカのほとんど全てのスーパーで買えるようになったわ。ヴィーガンの人の数はここ数年で相当の数になったし。マクロビオティックの原理が地産地消や有機食品、海草みたいなものを入り口に勉強されてきているのよ。
JF:カウンセリングをしたりしますか?
JP:私自身はマクロビオティックのカウンセラーではないし、そうならないとだいぶ前に決めたの。得意じゃないのよ。責任も嫌いだし。時々マクロビオティックの人たちが相談に来るの。感情や精神的な問題を抱えている人が自分の人生を楽しめるように喜んでお手伝いをするけど、何を食べたらよいのかそのことを指摘するには興味がないの。早い時期から私はコミュニケータだってことが分かったの。それが私が得意なことだってね。書いたりクラスを開いたり、なんでもいいのよ。
JF:催眠や本を通じてコミュニケーションを取っているわけですね。どこかで舞台にも立たれているのでしたよね?
JP:4年前にロサンゼルスに引っ越して舞台に戻ったの。11歳のころから演技を始めて、たくさんの舞台にたったわ。ニューヨークの大学院で劇も学んで、その頃にマクロビオティックの世界にはいったの。本当に健康的な食べ物を食べるようになったことで大学を中退することになったのよ、実は。
JF:どうしてですか?
JP:マクロビオティックのせいで私の舞台人生はメチャクチャになったのよ。今までの人生で初めて、自分の人生という舞台に立ちたくなったの。マクロビオティックは私の人生に本当にたくさんの面白い変化を生んでくれたの。私の人生そのものが「舞台」になったの。舞台の上で他の誰かを演じるなんてしたくなくなったのよ。それから7年後、舞台熱が戻ったの。舞台に立ちたいという熱は決してなくなるものではないのね。その7年間、私は自分自身を見つめなおして、それを一つにまとめていったの。20代を瞑想と料理に費やして、ほかの人たちみたいにパーティーに参加し、社交性を広げることに時間を使わなかったの。私の20代はすごく自分の内面を見る時間だったのよ。そのことにすごく感謝しているわ。宇宙との霊的な結びつきを手にすることができ、すごく成長できた。舞台に戻った時に私の演じる目的は完全に変わっていたわ。自分のエゴのためではなく、ただ楽しみたい、そのために私は舞台にたっているのよ。
JF:舞台に向いていると感じたのはいつでしたか?
JP:2つの気づきがあったの。一つは11歳の時のサマーキャンプね。2段ベッドに私も含め4人女の子がいたんだけど、私がちょっと何かすると皆大笑い。その時思ったの、「これ面白いじゃない、努力しなくても皆明るくなってくれなんて!」。2番目の気づきはクシ学院にいたときね、しばらくの間ユーモアのセンスがなくなってたの。ニューヨークで数年自分流のマクロビオティックをした後、1993年にクシ学院に入ったの。たくさんの間違いをおかしていたことに気付いたのよ。とても陽性だったし。5年間も月経がこなかったの。怖いぐらい痩せ細って、髪もすごく短くしていたわ。背の低い日本人みたいだったのよ!
学院の受付で働いていたわ。バランスについて学びながら6ヶ月くらいたったころ、気持ちが楽になって、リラックスできて、あるがままに幸せになったわ。受付に座りながら、一人コメディや何か面白いことをしたいと夢を膨らましていたの。ある日、マサチューセッツ州のリーの小さなカフェでちょっとした司会をしてくれないかって頼まれて。舞台に立ちたいっていう思いがあったから、頭で考えていたことを全部話したの。何の準備もしないでステージに立ったんだけど、まさにここ(クルーズ船上でインタビュー行われた)でしていることをしたのよ。そしたらみんながこう聞くの。「今話したことは皆その場で考えたの?」ちょっと台本を読んだだけなのよ。すごく面白かったわ。二度目の気づきね、それが。11歳に戻った感じがしたわ。芸能番組の司会をするようになって、一人コメディのクラスを受け始めたの。何百人っていう人の前でステージに上がると、血の気が引いたわ。シェーキー・コメディかキャッツヒルのユダヤ人のような神になった気分よ。仕方がないわよね。部屋をきれいにしておけなかったし、小切手帳のバランスをとることができないのよ。
JF:睡眠療法はいつから行い始めたのですか?
JP:20歳の時にタバコを止めるために始めたのよ。タバコのために睡眠療法を行うなんて、奇跡としか言いようのないことを経験したのは初めてだったわ。タバコをやめた後、ヨガ、太極拳、マクロビオティックを始めて、私の人生は本当に様変わりしたの。10年後、友人のハワード・ワレン(Howard Wallen)とプライベート・シェフの仕事を始め、ピンク・フロイド(Pink Floyd。イギリスのロックバンド)のロジャー・ウォータズ(Roger Waters)と料理のイベントを開いたの。毎日バンドのメンバーに食べ物を届けたの。当時はフロリダにいて、彼らの家に車で行くときにいつも2、3件の睡眠療法のクリニックを通りすぎていたものよ。私の診ていた病人(ロジャーじゃないわ。彼の家族は健常だったの)が療法で助かるかもと思ったの。本を買って、テープを作ったの。食べ物の秩序を守らせてくれたの。それから睡眠療法の資格をとって、マクロビオティックの人たちに実践を促す手助けすることを専門にしようと決めたの。でもあまりニーズがなかったの。喫煙をやめて、出産向けの療法に方向を転換したの。中年女性向けに世界中(南アフリカ、イギリス、アメリカなどの英語を話す国)で睡眠療法出産(HypnoBirthing)を教え始めたの。54回の出産に立ち会ってきたの。一緒にチームとなって協力して出産を迎える手伝いをすること、それがとても生きがいになったわ。男性は女性に共感を覚えるんだけど、自分が役に立てることはないと思ってしまうのよ。でも睡眠療法出産では、ある段階においては男性の方がパートナーの女性よりも役に立つの。パートナーをリラックスさせ、気持ちをポジティブに向けさせ、何週間でもそれができる。絆が強いのよ。とても良い経験よね。
JF:マクロビオティックにはどのように出会ったのですか?
JP:トロントにいたとき、私の姉が付き合っていた男性が数か月後に白血病か何かの病気だと診断されて。彼も含め彼の家族全員がマクロビオティックをやりはじめたの。その時に初めて言葉を聞いたの。姉が何冊か本を買って、彼女に連れられて何件かマクロビオティックのレストランに行ったの。ひどい味だったわ。でもその時に種が植えられたの。大学を卒業した後、彼女から本を一冊借りて(実際は黙ってもらった形だけどね)。唯一私が料理してみたいと思うレシピが載っていたのよ。当時わたしは過食症で、食べ物に取りつかれていたの。いつも食べすぎちゃっていて、砂糖中毒だったの。みじめだったわ。ニューヨークのマクロビオティック料理教室に初めて通い、マーレイ・スナイダー(Murray Snyder)が私の最初のカウンセラーだったの。最初からそれにはまったんだけど、まったく向いていなかったの。
それからオーサワを知って、自分の霊性のことを考え出したの。何か思い病気を抱えてマクロビオティックの世界に入ったわけではないので、他の人と比べるとそれほど重大なテーマでもなかったの。いわばいつでもそれから離れることができたのよ。でも気が狂ったようにオーサワに没頭して、彼の教えがインスピレーション満載だってことに気付いたの。情熱的ね。すごくハイになったわ。ほら、彼は1966年の4月に亡くなって、私は66年の12月に生まれたのよ。彼の生まれ変わりかもしれないわね、私は、冗談だけどね!
JF:The Hip Chick’s Guide to Macrobioticsの本はオーサワの教えが満載ですね。
JP:私はいつもオーサワとつながってきたの。そこには霊性との結びつきがあるから。人が恐怖を抱くと霊性はなくなるの。オーサワには恐れがなかったのよ。彼には情熱があり、7つの健康条件について話す彼がとても好きだったの。51%の健康は宇宙とのつながりにあるという話もね。
私はオーサワのことが大好きだったのよ。でも陰や陽をおもしろおかしく説明している本がないのはなぜなのかしらね。私にとっては12の定理はものすごく魅力的なものであると思うし、人生が変わる、そんな力があるものだと思うの。マクロビオティックの本はたくさんあるけど、とても地味で落ち着いた尊敬できるものよね。でも必ずしも新しい人たちの関心を呼ぶようなものではないのよ。陰と陽の話になると混乱している本もあるし、読者が本を読み終わるためにはそれにものすごく興味がないといけないもの。だから私はそういう人たちの関心をよぶような本を書きたかったの。「あなたたち、これを読みなさい。面白いことが書いてあるのよ!」ってね。MILF食でおなじようなことができればと願っているわ。
JF:最後の質問です。人生の意味はなんだと思いますか?
JP:最後にこの質問をするの~?わからないわよ、そんなこと。でも自分の人生の目的と何が私の人生を満足で満たすのかは見つけたの。私の最大の喜びは人を愛することにあるのよ。人とのために存在し、愛すること。これは本当に自然な陰性な力で、私の中から沸き起こっていると感じるの。人を愛することに勝る喜びはないし、決して時間の無駄ではないと思う。
たいていの人は素晴らしいわ。人々の95%は気体よ。何を食べようともね。何を食べようとそれによって人をジャッジすることは決してしないわ。それで人をジャッジすることは犯罪よ。人はそんなちっぽけな存在じゃないもの。人をジャッジしようとしても決してうまくいかないのよ。実際のところ、友達を作りたいのか、だれかを変えたいのか、めったにうまくいかないわよ。人をジャッジするってことは決してしてはいけないこと。人を愛する、幼い子を愛する、友達を愛する、動物を愛する、家族を愛する。人間はみんなカッコイイのよ!
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ジェシカ・ポーターはThe Hip Chick7s Guide to Macrobioticsの著者であり、The Kind Dietをアリシア・シルバーストーン(Alicia Silverstone)と共著している。彼女の次作MILF Dietは2012年の秋に出版予定である。ジェシカは1991年からマクロビオティックを実践し始め、90年代半ばにクシ学院で「健康への道(Way to Health)プログラム」を開催し、旅行とマクロビオティックを結び付けての指導を行っている。カナダ、イギリス、全米で睡眠療法出産のクラスも開催している。睡眠療法士でもあり女優でもある彼女はいつも面白く、有意義なクラスを開いている。詳しくは下記のサイトを参照。
www.hipchicksmacrobiotics.com
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「Loving People Without Judging (人を愛そう、決してジャッジしないで)」は日本CI協会・編集部が和訳したものです。
GOMFの連絡先は下記となります。
E-mail:gomf@earthlink.net
英語版を読みたい方は下記のウェブサイトをご参照ください。
http://www.ohsawamacrobiotics.com/index.php?page=shop.product_details&flypage=flypage.tpl&product_id=189&category_id=11&option=com_virtuemart&Itemid=109