2013/07/28

地球という意識(Planetary Consciousness)



ビル・タラ氏とのインタビューAn Interview with Bill Tara


ジュリア・フェレーJulia Ferre





ビル・タラ氏は長年マクロビオティックに関わり、マクロビオティックのトップ指導者の1人です。ボストンのエレホン(Erewhon)で創業当初から働き、コミュニティ・ヘルス・ファウンデーション(Community Health Foundation: CHF)とクシ・インスティテュート・ロンドン(Kushi Institute London: KIL)を立ち上げ、アメリカとヨーロッパで数多くのビジネスとベンチャーに携わってきました。本インタビューは20133月にホリスティック・ホリデー(The Holistic Hoiday)の船上で行いました。



ジュリア(以下J):マクロビオティックを始めた理由を聞かせてくださいますか?


ビル(以下B):私のルームメイトであったポール・ホウキンを通じマクロビオティックを知りました。私たちはサンフランシスコにスタジオを構えていました。ポールは写真家で、私は少人数で劇団を開いており、ロック・ダンスやライト・ショーなど、皆と一緒に色々なことをしていました。1966年にポールはジョージ・オーサワ(桜沢如一)の1冊の本に出会い、彼の食事法を通じ自分の喘息を治そうと決心しました。私もその本を読んだ後、非常に感銘を受けたのです!10代の頃、老子道徳経を読んでいましたが、ジョージの本を読んで感じたのは、この哲学を活用することで何か現実的にできるという想いでした!当時、私の生活スタイルは酷いもので、十二指腸潰瘍を患っていました。医者は手術が必要だと言いましたが、マクロビオティックを実践すると痛みが完全になくなったのです。医者の所に行き、自分がしていることを伝えると、彼女は酷く驚いていました。


J:本当に?彼女は(あなたの快復を)喜んでいなかったのかしら?


B:彼女は私がしていることを全く意味不明だと言い、手術を受けに私がまた戻ってくると言っていました。実は、彼女の反応は非常に興味深いものでした。彼女の話を聞かなければ、私はそのままマクロビオティック食を摂り続けていたと思います。


J:ボストンに移ったのはいつですか?


B:ボストンへはポールと創業初期のエレホンに触発された他の多くの友人と一緒に移りました。ボストンでは10カ月過ごし、その後、ミチオ(久司道夫)がシカゴに行きそこのマクロビオティック・センターをヘルプするようにと、提案してきました。


J:そんなにすぐ?ミチオとはボストンで何年も共に学んでいたと思っていましたが?


B:非常に短期間しかボストンにはいれませんでした。指導もセンターの運営も全く見当もつかないとミチオに話しましたが、彼は自分がしていることをすればいいと言いました。まあ、ミチオと共にあちこち回り、彼の仕事を見ていたことは確かでしたが。


J:今のお話はクシ・インスティテュート(KI)ができる前ですか?


B:そうです、何年も前のことです。シカゴでは9カ月過ごし、小さなセンターを運営し、後に私が離れる際にロン・コーチが引き継ぎました。その後、アヴェリーヌと共にロサンゼルスに行き、エレホン・ウエストをオープンしました。ロサンゼルスからサンフランシスコにかけてカリフォルニアを縦断するように講義を開き、食品を輸入し、マクロビオティック食品を販売していきました。


J:ヨーロッパとロンドンに行かれたのはいつでしょうか?

B:1969年にボストンに戻り、しばらくエレホンの副社長として勤めました。ミチオはエレホンに長年いる従業員との間で取り決めをして、外の世界を見るために旅をさせるか現金支給をするかの選択を出しました。外の世界を見てみたかった私はヨーロッパにいるジョージの教え子の名前を調べ、陸路でインドまで行きました。アメリカに戻ると、ポールたちが活動をヨーロッパに広げることを考えており、自分にそれが実現可能かどうかを調査するよう依頼してきました。私はイギリスに戻りましたが、残念ながら、エレホンは資金不足となり実現できませんでした。私はイギリスに残ることに決め、サムズ・ブラザーズ(Sam’s brothers)向けにロンドンでセレス食品店(Ceres food shop)を経営し、その後ピーター・ブラッドフォード(Peter Bradford)に入りサンウィール・ナチュラル・フーズ(Sunwheel Natural Foods)を開きました。イギリスでマクロビオティック食品を開発し販売し始めました。私自身もレクチャーとワークショップをやり始めました。1975年、ロンドンでコミュニティ・ヘルス・ファウンデーション(Community Health Foundation: CHF)を設立し、ビジネスよりもレクチャーをやりたいと思っていた私の願いを実現できました。            


J:CHFは何をしている団体なのでしょうか?


B:巨大な建物のリース管理、マクロビオティック教育を行うイースト・ウエスト・センター、レストラン、書籍売場、保育園を設け、全てマクロビオティックを実践する人たちで運営していました。鍼灸院協会や自然分娩団体など他の組織にも部屋を賃貸したりしていました。1976年、KIを設立し、後にアメリカとオランダでそれが設立されました。


J:大学でビジネスを学ばれたのですか?どのようにして一つにまとめ上げたのでしょうか?


B:およそ1,000ドルを元手に自力でスタートしました。銀行に行き、空き建物をリースできると伝えると、喜んで2倍の資金を出してくれました。建物を直し、その付近をうろつく浮浪者が建物を燃やさないように管理するのであれば半年間賃貸料を無料にすると言ってきました。素晴らしい人たちがそこで働くことになりました。初年度は全員ボランティアのスタッフでした。2度と同じことができるとは思いませんが、ヴィジョンがしっかりしていれば人はやる気になるということが分かりました。


J:CHFは現在も運営しているのでしょうか?


B:ええ。でも全く別の形態です。今はコンコード・インスティテュート(Concord Institute)として機能し、マクロビオティックを教えるコア・カリキュラムと、その他人間性向上クラス、ボディクラスもあります。


J:指圧クラスもありますか?


B:はい。ヨーロッパで初めて指圧のクラスを開いたのはCHFでした。私自身は山本静子氏から指圧を学び、教えていました。


J:ミチオがプログラムを組んだのですか?


B:ミチオ、アヴェリーヌそして私が台所でプログラムを作りました。ミチオがカリキュラムの概略を作り、私が後で整理しました。学びたい者が来れ、指導者も入れ替わるような場所にしたいと思っていました。たくさんの素晴らしい指導者がきました。Marc Van CauewnbergheRick VermuytenAdelbert NelisonDenny WaxmanMurray SnyderWilliam Spearなどがいました。生徒たちも素晴らしかったです。ロンドンでの最初のコースではレベル1の3ヵ月プログラムで85名が受講しました。自分たちで指導者も育成しました。Jon SandiferDonal CoxSimon BrownAnna MackinzeMarion PriceMario Binettiなどです。私も45年そこにいて、1981年にミチオからボストンに戻ってくるようにと声がかかりました。当地のKIでは私たちがロンドンで使っていたカリキュラムが使われており、ミチオは住居施設へも広げていきたいと考えていました。


J:当時ボストンにはどのくらいいたのですか?


B:今回もわずかな時間だけでした。マクロビオティックが動きを持ち始めたのが当時でした。ミチオとアヴェリーヌは世界のマクロビオティック人にとって宝であり、ミチオは彼の全盛を向かえていました。東洋の哲学者でありカリスマであり知識人であるという印象を西洋人にアピールするのは自分だというロマンスにミチオは憑りつかれていました。ガンが話題に挙がった際に周辺事情は一変し、団体の方針が変わり自己開発から治療的な、特に肉体的な健康志向の訓練所という方向にシフトしました。マクロビオティック・コミュニティの雰囲気が変わっていきました。


J:あなたはあちこちにいき新しいことを始めていらっしゃる。多くの人が何かを始めた後、それに執着してしまいます。時間と共に変わることができない。ご自身はいかがですか?


B:私の執着は何かを始めたらそれから離れることですね!みなそれぞれ執着する物はあると思います。


J:面白いですね


B:事実だと思いますよ。物事が継続していくのを見るのは好きですが、私自身は落ち着かない人ですから。だから劇を指揮するのが得意なのです。劇を指揮し、それが開演したとたんに次のことを考えていました。物事の始まりに関心があるのです。


一般的な意味で物事を動かし続けるのか好きなのです。これまでやってきたことは、この世界にいる自分とは何であるのか、この世界で自分をどのようにケアし見ればよいのか、そしてこの世界をどのようにケアすればよいのかという点に関する意識を高まることに関係しています。自分の仕事をするにあたり新しい効果的な方法を実験するのが好きなのです。


J:これがあなたのヴィジョンだと思いますか?

B:ええ、これが私の人生を動かしているものです。物質的な意味で成功する時もあれば、しない時もあります。他人に影響を与える時もあれば、そうでない時もあります。マクロビオティックを伝える新しい方法を考え出さなければ大げさで表面的なものになってしまいます。ヴィジョンや目標は同じで良いと思いますが、それを達成する手段が変わってもよいでしょう。自分が何をしたいのかというヴィジョンを失った時、人はその過程の人生を失うことになります。


J:あなたの著書、“Macrobiotics and Human Behavior”を書いたのはいつでしょうか?


B:1980年、82年ころだったと思います。スイスで人気のあったインターナショナル・マクロビオティック・インスティテュート(IMI)で長年レクチャーしてきた私のセミナーをまとめたものです。現在は絶版になっています。いつも再版しようと思っていたのですが。その後、私は別の本(Natural Body Natural Mind)を書きましたが、最初に出した本の省略本のような本になりました。現在初めての料理本(Eating as if Life Matters)を執筆中で、今年出版予定です。自分が食べる物と、社会、文化、地球についての私たちの態度との関係を書いています。


B:社会的な意識ですね


J:その関係を私たちが無視できるわけはないと思います。私の解釈では、マクロビオティックが健康を創出する理由は地球環境の必要性に合致しているからです。生態的に健全で、社会学的にも正しいのであれば、私たちは健康になれます。好きなだけ陰陽を使えばよいと思いますが、結局はこの地球で私たちがいかに生きるかということになります。マクロビオティックの目的はバランスを取ることです。何とのバランスか?それは自然とのです。私たちは「自然」という言葉を「宇宙」という言葉に置き換えてしまっています。これが現実からの乖離を生んでいると思います。宇宙で何が行われているのかという話になると私は参ってしまいます。正直言って私たちは宇宙で何が起こっているかなどほんの少しも分からないのです。自然と地球が大切なのです。


私たちの日々の生活で現実的なことは何でしょうか?どのようにしてマクロビオティックの考えが私を、私の家族を、私の仕事を助けてくれるのでしょうか?人々が危惧しているのはこうした基本的な問題であり、哲学的な思考ではないのです。


J:ご家族はいかがですか?子供はどこで育てたのですか?


B:小さい子供たちはコロラド州ボールダーで育てましたが、子供たちはジプシーであちこち移動して生活してきました。KIを出た後、私はマイアミに行きサンディ・プケルと仕事をしました。その後1983年にコロラドに移り、新しいプロジェクトであるノヴァ・ヒーリング・センター(Nova Healing Center)をスタートさせました。ひどい事件に会いました。


J:どうしたのですか?

B:当時、ボールダー近くの山におり、そこは美しい場所でした。教育活動は成功しており多くの人がコースを受講しに来ていました。モーテルやレストランがありましたが、十分なお客さんを招待できずにいました。特にビジネス上のその土地の季節性もありマクロビオティック志向のレストランをサポートするのに十分なお客さんがいなかったのです。

私が関わったビジネスで上手くいかなかったのはこれだけでした。高リスクなビジネスで、ポテンシャルも十分でした。でもプロジェクトにがっかりしたのはその時が唯一でした。投資家が失敗したのです。13年間ボールダーに引っ込み若干指導もしましたがニッケン(Nikken)など他の活動にも関わることになりました。


J:その経験をどう思いますか?


B:面白いのは、マクロビオティックに関わり指導を行うと、指導し続けることを要求される感じがあるのです。まるで神父が昼間に別の仕事をしているようなものです。健康と曖昧な感じで関わることをしていると、そこから取り残されてしまいます。私が磁気製品と浄水器のビジネスに携わっていた頃、周りの人はそれをマクロビオティックと認識していませんでした。それまでと変わらず指導し、食物と健康について話す人でした。人の役に立ちそうな面白い商品を見つけたのであり、自分の家族を養えると思う商品を見つけたのです。この頃に私のマクロビオティックに対する見方が少し変わりました。外から期待されることや信念から一歩引いてみたのです。


J:ヘルマンはマクロビオティックを自己発見のための一様式だと強調していたように思います。ジョージも自分に正直になるようにと話しています。マクロビオティックをしている方の中にも誰か権威のある人の良し悪しという意見に従い行動する人がいるように思えます。それがマクロビオティックに特徴的なのか人間の傾向なのかは分かりませんが。


B:私は人間の傾向だと思います。私たちは物事を首尾一貫したものとして説明してもらいたがっています。マクロビオティックでもそれと同じことが起こったのだと思います。ミチオやヘルマンが言っていない、ジョージの本に書かれていなければ間違いだ、と。指導者に敬意を払うのは大切ですが、人は自分の精神性や判断にも敬意を払うべきでしょう。結局のところ、マクロビオティックの哲学では物事は変わると伝えています。変化は人生に興奮と冒険をもたらします。肉体的、感情的、精神的な健康を規定するのは変化に適応する私たちの能力にあります。人が何かをしようと掻き立てられるのは柔軟性の欠如と過剰な不安からです。何か悪いことが起こるのではないかと恐れているからです。これは最悪な動機です。恐怖は行動に結びつきますが長続きはしません。死の恐怖よりも生きることの理由を見つけなければなりません。


これは私たちの食事に対する態度にも現れてきます。多くの場合、健康な食事をし始めると、それの矛盾をあれこれと唱える恐怖の声を聴くようになります。油はダメとか、塩をとってはダメとか、抗酸化物質をとるべきだとか。それにより栄養と食事が科学的な一大事業になっていきます。その科学的な一面を気にかけたことは私もあるというのは事実です。もし誰かが白衣と聴診器を身につけて「泥を食べれば苦しみから解放される」と言えば人々のなかには四つん這いになって泥を食べる人もいるでしょう。私が思うに、この人は膨大な情報を目の当たりにして、何が大切なのかを決めかねているのでしょう。


そこにマクロビオティックのコミュニティが出てくるのです。私たちが提供できるのもが一つあるとすれば、それは食事法の変化に関する50年以上の経験です。効果がある食事法もあれば、ない食事法もあります。もし効果がないことについて書かれた本があるとすれば、それは非常にためになるものです。治療上は効果があるものもあれば長続きしないものもあります。個々人のニーズを尊重するとともに一般的な原理を持つことも大事です。


ガンになった人がマクロビオティックと出会うことで大きな変化が起こります。ミチオとヘルマンは同じ結論に至りました。つまり、油を全く制限する、または少量摂取する食事法や塩の摂取を厳しく摂取すれば(現在ヴィーガン・マクロビオティック食と言われている食事法)ガン細胞が急激に縮小します。多くの場合、これが好転機となります。問題はそのような食事法が最高のものとなり、ガンでない人々もそのように食べ始めてしまうことです。


興味深いと思ったのは、それが「クリーン」な食事法だと捉えられている点です。そのように食べなければ「汚い」ということです。私も「汚い」食べ物を食べているって?私は食べ物に塩をふるし、火を使うときに油を使うし、台所にいるときにはロックンロールをかけて料理しますよ。


J:私はアボカドを使います


B:美しく可愛らしいモノを取り上げ、それをグロテスクなものに変えるのはおかしいと思います。


J:13年間ボールダーに住んだ後は何をしたのですか?


B:スコットランドに越しました。リスボンでのミチオの80歳の誕生日に参加してから、もう一度教育に集中することにしました。ポルトガルのマクロビオティック・インスティテュート(Macrobiotic Institute)に勤め、スペインのSHAウェルネス・クリニックでマクロビオティック健康サービスを指揮しました。今は妻のマーリーンとスコットランドの田舎にあるペニングハム・ハウス(Penningham House)で泊まり込みのプログラムを開催しています。私は今もリスボン、マドリッド、ヴァレンシア、バルセロナで精力的に教えています。マーリーンはMacrobiotics for All Seasonsという素晴らしい本を出版し、個人レッスンも開催しています。


J:ホームページを拝見しましたが、ペニングハム・ハウスは素晴らしそうですね。


B:美しい場所です。一人用のキッチン・テーブルを備えた料理教室があります。プログラムの参加者は全員、自分のコンロやまな板を使い毎日自分のご飯を作ります。完全に実践向けです。大部分の施設ですと既に準備された状態になっていますが、それでは本当に料理ができるようにはなりません。面白いのは、参加者は同じ材料を使っても出来上がったものは違うものになってしまいます。「どうして味が違うのだろう?」と参加者は言っています。火の扱いや調理のスピード、料理に向かう姿勢など細かいことが違いを生むことが分かるわけです。


J:その通りですね。ある面では忍耐と柔軟性を学んでいるわけですね。


B:コーチング・プログラムも提供しています。数年前、私自身がKI5千人以上に指導してきたことを思い出し、そのうちのほんのわずかの人がカウンセリングを提供していることに気づきました。何か(カウンセリングや料理共に)を始める際には助けが必要なのだと感じました。マクロビオティックは難しいものという印象を与えてしまい、多くの人が自分の知識をシェアすること、間違いを犯すことを恐れています。マクロビオティックは本当は単純なものです。自分の先祖を知る必要もなく、自分の祖父の体調を知る必要もありません。食物の選び方と料理の仕方、個人の健康と生活について良い判断をする方法を学ぶ必要があるのです。


私たちは2週間プログラムにフォーカスし始めました。生徒たちは患者さんにインタビューし彼らが何を欲しているのか、どのように始めたらよいのかを教える方法を学び、治療目的ではなく一般的な健康にフォーカスしたプランをねります。患者さんがガンや生命の危機を脅かすような病気を抱えている場合には、もっと経験のある人を紹介します。生徒の中にはプログラムを修了した後すぐ看板を掲げ、自分はヘルス・コーチだと主張する人もいます。「カウンセラー」ではなく「ヘルス・コーチ」と呼ぶようにアドバイスしています。


J:料理の仕方や他人を助ける方法など大切なことを教えているのですね。


B:私たちは生徒にこの情報をまとめ上げ整理できるようになってほしいと願っています。いつも私が悩むのは、「マクロビオティックの知識は豊富なんだけど、何をしたらよいのか全く分からないの。一日中働いているし、3人の子供を持つシングルマザーなのよ。どうしたらよいのかしら?」という声を聞くときです。これは現実的な問題ですので、ヘルス・コーチがその人と相談し、毎日朝食の摂り方を指導します。前日の残り物の穀類に水を足し朝お粥を作ります。その上に調味料をちょっと振りかけます。初めから全て作らなくてはいけないと思っている人が多いのです。味噌汁の作り方?出し汁を1L程度作り、冷蔵庫に入れ、必要な時に取り出し、味噌を入れればすぐできますよ。実践的なアドバイスが求められているのであり、そうでないと失敗してしまうのです。


J:ヘルマンは人生の意味に関する非常に感動的なレクチャーをしていました。他人に生きる力を与えるために、自分の人生、ヴィジョン、情熱について語るのは大切です。最後にお聞きしたいのですがが、あなたにとって生きる意味とは何でしょうか?


B:モンティ・パイソンの映画でまさにThe Meaning of life(生きる意味)という映画があり、私自身が既存の問題と格闘する際に役立ちました。私自身も人生には生きる意味があると思います。個人的なヴィジョンでは、この地球上の人間の命は地球とは不分離ではなく、地球の意識になれる可能性があると思います。私たちが行うこと全てがその方向に向いているのです。自分の意識を高めることで、この関係に気付くことができます。個人的にそれは根本的な問題であり、それなしには人生は失われ、人の道を大きく外れることになります。


J:意識あるいは地球との融合を言っているのでしょうか?


B:SFで大きな話題を呼んだアバターやそうした類の映画がありますが、アバター以前にも同じようなことを叫んでいた人はたくさんいます。私の考えでは、すべての偉大な宗教は人類の統合とその後の創造に基づいていると思います。自然は私たちの入り口です。私たちのほうから自分自身、あるいは自然と和を結べなければ、自然の方から自分たちと和を結ぼうとは思わないでしょう。一つの種として宇宙とは本当は何であろうかなどという大ごとを唱えることができるでしょうか?


マクロビオティックの教育は食物の確定(私たちは機械的判断力と呼んでいますが)と精神的発展(最高判断力)に関する哲学的普遍化にフォーカスしているように思えます。その間にある生物的なものから最高に至るまでの判断力を飛ばしてしまうのはもったいないと思います。感覚的、感情的、社会的、思想的な判断力にも良い点が沢山あります。そうでしょう?


J:今という場所に戻ってきてそこにいること、それが大切ですね。


B:その通りだと思います。

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 40年以上、ビル・タラ氏はマクロビオティック教育、ビジネスの育成、教育プロジェクト、20カ国以上での指導に携わっている。現代の生活や文化のニーズにマクロビオティックの哲学を採用することをメインに活動している。ダイナミックかつ単純で包括的な彼の指導法は難しい専門用語を使わずにユーモアが溢れている。指導を通じビル氏は、個人と社会全体の健康を創造する方法に関する私たちの社会的理解度の大きな格差を埋めようとしている。www.billtara.net


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「地球という意識(Planetary Consciousness)
ビル・タラ氏とのインタビューAn Interview with Bill Tara」は日本CI協会・編集部が和訳したものです。



GOMFの連絡先は下記となります。
E-mail:gomf@earthlink.net
英語版を読みたい方は下記のウェブサイトをご参照ください。

http://www.ohsawamacrobiotics.com/pdf-downloads/macrobiotics-today-pdf-jul-aug-2013-detail