2011/12/27

2012年-マクロビオティックの変革

寒さが身に染みる今日この頃、今年も残り少なくなりました。
来年は日本人の意識が変わる年であると思われます。

今年の3.11という経験は私達に潜在意識の変化を与えました。
私達日本人は、2012年も更に多忙な年を過ごすことでしょう。

私達は従来の西洋医学と東洋医学が互いに補いあう、新たな変革の時代へと突入することを通じて、必然的に生き方も従来に捉われない社会的意識を持つのです。

失敗を覚悟で私達が社会的意識を持っていく必要がある中で、来年は更に若い人々を中心とした活躍が更に期待されます。

マクロビオティックは今まで「知識と情報」重視で左脳を使うことに重点が置かれていましたが、近年は「直感とインスピレーション」が重要視されています。

最近は成績にとらわれない子どもが増え、時代は「知識絶対視」から「直感・インスピレーション」へと確実にシフトしています。

来年は教育・医療が変わる「変革の年」となり、マクロビオティックにとっては「追い風の年」となることでしょう。

皆様、食べ過ぎにはくれぐれも注意して、健康で心穏やかに新年を迎えましょう。

物と精神の二重構造について

「物」は「心」で見る。

私達は「心」で精神世界を見て、「目」で物質世界を見ている。

精神文化は科学的観点から見て、いい加減なものとされてきた。

目で見るものは科学とすると、精神を見る事が出来なくなってしまう。

桜沢先生の仰ったように、夢も健康であれば「正夢」を見る。

身体が整った状態で自然に沿って生きていれば、正確な判断を下すことが出来る。

ゆえに食事は重要な「鍵」である。

2011/12/22

本能と欲望の話

人間は生まれたときに、既に死ぬ運命にある。

死なないための延命措置が科学の進歩のおかげで著しく向上しているが、誰が人間の生死を決めるのか。

本人が死にたくないと望む場合と、家族や友人、知人などが死んでほしくないと望む場合とでは話は違ってくる。死にたくないと望む場合、それを本人のエゴと呼び、死んでほしくないと望む場合、それもエゴとよぶ。いずれも自然界の摂理を違反しようと高らかに表明しているように感じる。そこで個個人の考えを他人に押し付けるという行為は権利を侵害と考える人もいるが、権利というのは人間が造り出した社会と法律という枠組みのなかで共に生きるために考え出した知恵であり、本来の個々の人間という存在に備わっているモノとは関係がない。そのモノの成り立ちとなっているのが宇宙の秩序であり、何故、人間は生きているのか、どこに向かっているのか、という問題に突き当たる。

人間と動物は違う。その決定的違いは母子の関係をみて一目瞭然である。動物の母子は産後しばらくするとその関係は断絶し、個々の個体としての生を歩む。確かに、我々人間の視点から観て類似の点を動物の母子関係にも発見することができるため、そのような意見に異を唱える人もあるかもしれないが、それはあくまで人間の視点からもものの考え方である。人間の母子における産後の関係は動物とくらべて非常にちかい。出産後の赤ん坊を母親はすぐ抱く。そのことで母子の心が通い合う。ところが、いわゆる人間の主観的見地からの証明により、産後、母子をすぐ引き離し、その心の通いを妨げるエゴが蔓延している。もちろん、そのような手段を取らない選択権は個個人にはあるが、その手段を歪曲化する形で誇大宣伝しているのが現状ではないか。我々は資本主義社会に生きている。資本主義社会は金がモノをいう社会である。その金を使い、当時に権利という法律のベールで覆い、あたかも民主主義の多数決の論理で大衆を盲目のまま扇動しているのが、その社会の本当の姿であろう。金融危機などやさしいものであろう、なぜならば、その行動はあきらかに、資本主義の醜い面を浮き彫りにしている。強欲資本主義とはよく言ったものである。

人間には欲望がある。その欲望を認めるところからスタートしなければ話は始まらない。問題はその欲望の足るを知るということである。それが足るのか足らないのか、その線引きは難しい。というのは本能と直感で感じる必要があるからである。言葉を使うようになったことが、人間から本能を奪うようになったという考えもある。言い訳をする知恵を身につけてしまったからである。

「あの人は本能のままに生きている。」

この表現を肯定的、否定的、どちらに解釈するのか?おそらく、上記の表現はあの人には理性がなくとんでもない人だと解釈する人が大半であろう。なぜか?それを知らずの内にそうであると思っている、あるいは思わされている。それが教育というものの本当の驚異であり、その教育の全てはまず母子との関係から、家庭からスタートする。

如何に教育が必要であり、重要であるか、母子との関係が大切であるか。

学校教育、現代医療、西洋科学に対し、短絡的な疑問を投げかけるのもどうかと思う。すべての人は元々一人であり、最初の共同体が家族である。一人の人の力で大きな変化を生みだすことは難しいが、協力すれば何とかなると考えるのは、あながち正しいのかもしれない。まずは、家族を大切に、家族の中の調和を大切に。そのために食卓を囲む事の重要性を今ほど、強調せざるを得ない時代はないのではないか?その表現自体、すでに古びたものとなってしまっているかもしれないが、本当に心から出た言葉というのはあながちシンプルかつ繰り返し述べられるものなのではないか?なぜなら、物事の本質は本来シンプルである、無の中に全てがあるからである。それを理解するためにマクロビオティックを実践する。その実践は個個人からスタートし、それを家庭の中で証明していかなければならない。One Peaceful Worldの実現は個個人の意識と家庭内の家族の教育と協力が不可欠であろう。家族でも難しい人間関係。それを全く違う家庭環境で育った他人と培っていく作業は、なんと難しいことであろうか。結婚は2人の間の問題だけではなく、脈々とした歴史を刻んできたお互いの家系の問題でろう。ただ、そこに2人の感情の交流がなければ、何もはじまらない。ちょうど出産後の母子関係のように。

2011/12/21

陰陽理論の本質

この宇宙は陰性な遠心力と陽性な求心力が交わり、離れるという変化の流れの中で形成されている。

元々は無であり全てがあるという色即是空、空即是色の般若心経の考え方に遡れる。

仏教はインドで生まれたといわれ、人類はアフリカからスタートしたと言われているが、本当は日本人が人類の祖であるのではないかという考えもある。

アメリカインディアンのホピ族の古い言葉には日本語とおなじ言葉もあり、なぜなのか、その理由を考えた場合、世界中の要人がはるか昔日本に集い、そこから世界各地に散らばっていったという竹内文書の考えも真かどうかは不確かだが、興味深い。

桜沢が唱えた陰陽理論の基本は元々、一つであった無から二つに物事を分け、その二つの根本的なエネルギーが陽性な求心力と陰性な遠心力であると定めた所からスタートする。

物事を陰性と陽性という二つの対立相補的なエネルギーに還元することで、物事の本質、すなわち無を捉えようというのが陰陽理論であり、その宇宙の秩序に逆らうことは秩序違反であり、それに従い流れに乗ることが秩序である。

物事を二つに分け、その対立相補性、confrontational complementarityを認め、全ての事象を無に帰していくことが陰陽理論であり、桜沢の唱えたマクロビオティックとは本来そのようなものである。

Macrobioticsにおけるマクロとは巨視であり、その含意は宇宙的視野、魔法のメガネをかけた世の中の見かたのことである。本来人間には魔法のメガネはいらない。なぜならば、魔法のメガネは物事の本質を本能に従って見極めるために必要とされるものであるからである。人間は大脳が異常に発達してしまったために、間脳の働きが弱まり、本来備わっている本能、直観力が著しく減退してしまった。現代教育、現代食物はそれを著しく助長した。

さらにMacrobioticsとは生物・生命を捉える。それから連想される言葉が身土不二であり、一物全体である。身土不二の英語の表現をロナルド・コーチのMacrobiotics:Yesterday and Todayを参考にすると、Body and Earth not twoと表現されていた。なるほど、そのまんまであるが、外国人には中々理解できないだろう。一物全体は案外理解しやすいかもしれない。海外ではWhole Grainとして全粒穀物は有名である。物事の本質をとらえれば、周辺的はさほどたいして重要ではない。陰陽理論がこの場合それである。

マクロビオティックをやっているかと聞かれた際に何を基にYES/NOと答えるだろうか?本質が陰陽理論なのであるから陰陽で物事を捉えているかがスタートであろう。ただ捉えているだけでは、しかし駄目である。実行してこそである。桜沢先生の実行力は徹底していた。MI塾時代、夜中の12時まで講義を行い3時には起床し原稿を書き、その後、5時になると窓と戸を開け、掃除を始めていた。MI塾とは本来そのようなものであり、知識偏重の私塾となっていては本末転倒である。桜沢先生は自らの陰陽理論、無双原理を証明するために、当時の最高権威であった東大医学部・法学部・物理学部を打ち破る必要があった。現代教育の最高最終地点である最高学府に挑戦状をたたきつけた桜沢先生のマクロビオティックがそれに迎合する形になってしまっているのには違和感がある。

宇宙の秩序の元は無であり、陰陽二極が生じ、それが交わりエネルギーが発生し、そのエネルギーが凝縮することで素粒子、元素となり、植物、動物、人間の生命が生じてきた。このシンプルかつダイナミックな家庭を母体はわずか10ヵ月で行う。それを奇跡と言わずして何と言おうか。

物事の本質は単純かつシンプルである。それを複雑怪奇にしてしまっているのは、ついにはニュートリノの発見にまで至り自らその首を絞めることになっている現代科学であろう。分析分析の行きつく先に見たもの、あるいはこれから見れるだろうと想定しているものは、物事の本質ではなく、その反対であろう。物事の本質は私達の周りにあふれている。だからこそ、空間が無であるのではなく、空間にこそ全てがあり、七色のスペクタクル全てがある。桜沢先生が分光器を使い、色を陰陽で分類し、紫を極陰性、赤を極陽性とした理由は、現象界で我々人間の判断力を狂わす最大の脅威は視覚という感覚器官の長にあると考えたため、その視覚を通じた判断の拠り所として色の陰陽を提供したのであろう。

松下政経塾の塾是は自ら考える人間を育てることにあるように思われる。松下幸之助を引き合いにだすまでもなく、桜沢は彼の時代において既にそれをMI塾という場において実践していた。自ら考えるためには問題の本質を捉えることが肝要であり、そのために陰陽というコンパスが必要である。マクロビオティックでは陰陽以外は不要であるが、陰陽五行論が流布している最大の理由は現代教育の延長線上にそれがあるということと、人間の性としての人支配欲があるからであろう。表面上いくら相手のことを想ってという表現で本質をオブラートでくるんでも、それは自らの欲求を満足させる行為以外の何物でもない。自己顕示欲などもっての他であろう。陰陽五行では相生と相克により宇宙に秩序があるとしているが、真のマクロビオティックはそれとは相いれないことを肝に銘じておくべきである。陰陽五行をマクロビオティックだと勘違いしている人々が多い現実には疑問を持たざるを得ない。

そのように考えてくると、陰陽とは自らの内に留め外との調和を図っていくためのものであり、陰陽五行とは外との関係において自らの手中内に他人を収めることにその本質があるように思われる。欲求と本能とは違う。人間はなんのために生まれて来たのか?本来の人間の姿とはどのようなものなのか?人間には欲求があることは事実であり、それを否定することはできない。それを認めつつも本能に目覚めて行くことが人間として生まれて来た本来の目的なのではないだろうか?否定するのではなく、認める。物事を違う側面から陰陽により捉える。マクロビオティックをそのように捉えて実行していくことが桜沢如一・里真先生や久司道夫・アベリーヌ先生、岡田周三先生、山口アルカン先生、松岡リベラル先生、田中カタリーナ先生、田中フローラ先生などのマクロビオティックの先輩方が日々実践していたことなのではないか?人間とは何か?その源泉を求めるために、是非、アレキシス・カレル著、桜沢如一訳「人間-この未知なるもの」の熟読をおすすめしたい。

2011/11/25

マクロビオティック医学シンポジウム

11月23日、マクロビオティック医学シンポジウムが開催されました。

約300名の方々に御参加いただけました今回のシンポジウムでは、西洋の医学と東洋の養生法が対立ではなく、相補的であるということを確認することができた、まさに画期的なイベントとなりました。

この「東洋」と「西洋」が相補的、つまりお互いに歩み寄ることが可能であるということを桜沢先生は昭和26年(1951年)に「東洋と西洋の会合」(F.S.C.ノースロップ著、桜沢如一・田村敏雄訳)という著書を紹介することで先鞭をつけておられます。

日本国のガン研のトップのドクターの方々が、マクロビオティックにアプローチしてくださったことは、大変喜ばしいことであり、日本CI協会も今後もより一層の精進が必要になってくるものと思われます。

マクロビオティックは栄養学とは違います。違いはありますが、それと相いれないわけではなく、むしろ相補的です。なぜならば、現実的に栄養学のカロリー計算を守って日々食べ物を食べている人はいないですし、むしろ、各々の方の直感に従って取捨選択して、日々口に入れるもの、マクロな意味での環境を摂取しています。その直感力は各々の方々の経験により培われ、その経験は実体験・体感を通じて獲得されます。その直観力の最高位に位置するのが判断力の最高位であり、最高判断力です。

人間は心と体と霊で構成されています。体が心と霊を奴隷化してはだめです。逆にならなければ。桜沢先生は、脳を宇宙からのメッセージを受け取る受信機を考えております。この受信機は肉体という物質の一部です。だからこそ、肉体を健全に保ち、健康に整え、受信機を正常に働かせる必要があります。それが玄米正食であり、その前提には陰陽調和があります。

体内の生態系を整える必要があります。ミクロコスモス、マクロコスモスというカタカナ語を持ち出すまでも無く、私たちは環境の生物であり、環境を摂取していきています。ただ、その前提には陰陽という考え方があります。陰陽の調和が整えるという意味であり、個々人の体内環境という生態系を整えずして、自然環境という対外環境を整えようとするのは、エセに思えてしまいます。その人自身が調和を保つことこと、まず食欲を律することができることがまず初めでしょう。

雑草は生態系が破壊された所に成育します。繁殖力はものすごいものです。生態系を整えることで、雑草は有害なものではなく、無害なもの、というよりもむしろ、その環境と調和したものとなることができます。生体外で繁殖するものが雑草であり、生体内で繁殖するのがガンです。ガンの克服、雑草の克服、その両方に共通することが調和を図るという事にあるのだと思います。

バランスと調和は違います。バランスは天秤、調和はスパイラルです。この世はすべて陰陽という遠心力と求心力のスパイラルで構成されています。陰陽はバランスではない。その点を勘違いされている方が非常に多いです。是非、「無双原理・易」(桜沢如一著)を再度一読していただきたいと思います。



2011/11/17

Lima Cafe 12月オープン!

:12月1日~2日




時:12時~17時


所:日本CI協会2階ホール






12月のメニューは・・・






☆ベーグルサンド&スコーンの
                                      ランチプレート 800円


・ベーグルサンド
・スコーン
・スープ
・サラダ 


メニューはサンプルです



ベーグルは外はカリッと焼き上げられ、中は柔らかくてもっちり!

通常パンの原料として使用されるバター(油類)、卵、牛乳を

生地に使用いないことから、他の一般的な製法のパンと比べると

脂肪分やコレステロールが低いので、とってもヘルシー!


                      



☆フルーツサンド 300円 


・ 手作りパン、りんご、ラフランス、キウイ、豆腐、バニラ、なたね油、ぽんせん
  メープルシロップ

メニューはサンプルです



   旬のフルーツをたっぷり使用したデザート感覚のサンド

   クリームは 乳製品を使わず、豆腐とバニラで

さらに美味しく再現されてます

   甘いのに低カロリー! 女性に嬉しい1品です♪






☆マフィン

 
・いちじくマフィン 300円
・アーモンドココアマフィン 300円


メニューはサンプルです

マフィンは2種をご用意
お好みのマフィンをご堪能ください
 
いつもすぐ売り切れになってしまいますので
ご来店はお早めに !!


☆ひじきご飯 350円
 玄米、ひじき、人参、れんこん 

☆玄米おにぎり 各100円 
  玄米、梅、のり

☆飲み物

・穀物コーヒーラテ 200円
・穀物コーヒー、紅茶、緑茶、番茶 100円

2011/11/12

陰陽調和 身土不二 一物全体

みなさんお馴染みの3つの言葉が並びました。

さてこの3つの言葉、を図式化してみるとどうなるのでしょうか?























上の図から分かることは、陰陽という概念が全てを抱合する、それがマクロビオティックということです。

必要条件の陰陽と十分条件の一物全体、身土不二。

一つの物を丸ごと頂く、それが一物全体ですが、それは何も食べ物だけではありません。

食べ物という字は、「人」に「良」と書きます。

人を人たらしめているものを単に口から入れる物に限定するのはいかがなものかと思います。

人が現象界というこの世に生きている限り、その「環境」とは不別の関係にあります。

陽性な求心力により物質化し、この世に陰陽の調和のもと具現化した人間という生命体はその陰陽調和という環境の産物であり、その事実からはのがれることができません。

環境との不別を認め、その環境の下、人間が生きているとするならば、そのわれわれはまさに環境の一部であり、その環境そのものといえます。

ご周知のとおり、われわれは部分の集合ではありません。

科学は物事の細分化していくことで、その本質を探究していくという方法論を採用し、それはついにミクロな世界の頂、量子論の世界に足を踏み入れました。

ところが、その先の世界に足を進める際、哲学という別の学問の力を必要とするに至り、そこにおいて科学の限界が露呈しています。

マクロビオティックにおける本質探究の方向は、分析的に細分化されたミクロの世界のさらに先を哲学という別の学問を採用することなく、それ自体として完遂しうるもの、すなわち一なる無双の原理に求めるものです。

細分化された細胞の単なる寄せ集めが人間なのではなく、陰陽の調和した姿が真の「人間」です。

アレキシス・カレル著,桜沢如一訳「人間-この未知なるもの」の再読をおすすめします。

2011/10/29

Lima Cafe 11月!

Lima Cafe 11月オープン!


日:11月1日~2日
時:12時~17時
所:日本CI協会2階ホール


11月のメニューは・・・



☆フォカッチャプレート 800円
・フォカッチャ
・野菜たっぷり あったかシチュー
・パンプキンサラダ


フォカッチャとはイタリア料理の平べったいパンのこと。サラダをはさんでサンドイッチとして食べてもよし、シチューにつけて食べてもよし、お好みで楽しめます。


メニューはサンプルです。


☆マフィン
・アップルマフィン 300円
・クルミ&レーズンマフィン 300円
・マロンマフィン 350円


マフィンは3種をご用意。お好みのマフィンをご堪能ください。いつもすぐ売り切れになってしまいますので、ご来店はお早めに!!




メニューはサンプルです。




最中セット(飲み物付き) 500円


最中はもちろん砂糖を使わない小豆あんを使用。普段玄米を食べている方には十分すぎるほどの甘さです。お飲物と合わせてどうぞ!


メニューはサンプルです。


飲み物
・穀物ラテ 200円
・穀物コーヒー、紅茶、緑茶 100円



おにぎり 100円

Seasonal Energy:Autumn (季節のエネルギー: 秋)

ジュリア・フェレー




















伝統的な中医では、自然界における5つの事象を表現する際に5つの変化(5相)という考えを使います。時に、5つの要素、5つのエネルギー、5つの段階、5つの季節などと呼ばれるこうした5つの様式は、我々の身体、心、そして魂のレベルで活動しています。こうした様式に従うことで私達は健康になり、調和を生みだし、生きる活力を強めることができるのです。



秋は温かい季節から涼しい季節に変わる転換の時期です。秋は収穫の時期であり、木の葉が落ち、作物を収穫し、冬の準備に必要なものを蓄える時期です。
 秋は一日の中でいえば夕方にさしかかる宵の時期であり、人々が夕食のために再度集う時間帯です。宵は一日のなかで活動的な時間帯であり、食事の準備に追われる時間帯です。また、地域の人達が集会のために集まるような社交的な活動が多く開催される時間帯でもあります。宵は就寝前にその日の仕事を仕上げる時間帯であり、同様に秋は冬という冬眠の季節を迎える前に一年の仕事を仕上げる時期にあたります。
 一年は春、夏、晩夏、秋、冬の五つの季節に分けることができます。この五つの季節は、私達人間の体の中におけるエネルギーの流れ方やその法則についての情報を伝達する5つの段階と対になっています。5つの段階は一年を通じたサイクルにおける5つの特徴を表しています。誕生の春、成長の夏、収穫と冬眠の冬という自然の流れに対応するものです。この流れに対応する形で人間にも一年を通じた流れがあり、それは誕生の春、成長の夏、エネルギーを蓄える冬という形になります。








Metal-金
 秋に関連するエネルギーは金です。伝統的な中医の用語では、金は凝縮したエネルギーを表します。エネルギーは春に発生し(木)、夏に放出し(火)、晩夏に調整を図り(土)、秋に凝縮し(金)、そして冬に落ち着きます(水)。秋に凝縮するエネルギーは収縮という性質を持ち、秋が深まり、気温がますます涼しくなるにつれ、その性質が強くなります。植物は秋の最初に盛りを迎え、秋の終盤にかけて朽ちていきます。秋が深まるにつれ、人間も同様に活動のペースが落ち、内向的で静かになっていきます。


Body-身体
 身体も季節に対応しています。天気が涼しくなると帽子や手袋を身につけるなどして熱を確保しようと人々は努めます。活発に身体を動かし身体を温めようとする人もいます。身体の熱を逃さないよう静かにたたずむ人もいます。十分に身体を動かし、適度に休む。秋には両方のアプローチが有効です。
 秋と関連する臓器は肺と大腸です。肺は呼吸、すなわち息の吸入と吸出とのバランスを表します。大腸は消化器官の末端に位置し、身体から老廃物を排出する働きがあります。各臓器はエネルギーの集合器官です。肺では二酸化炭素が集まり吐き出され、酸素が集まり吸い込まれます。大腸では排泄前の老廃物から水分が凝縮されます。


Mind-心
 心も季節に対応しています。この時期、子供達は学校に戻り、全員の心に集中力が戻り増し、新しく生まれ変わります。秋の心の持ち様の手助けとなる方法の一つに、一年間の仕事の総仕上げをしていくことが挙げられます。学校活動においてこの時期は物事の整理の時期です。その一方、一年の初めの時期である春という季節に掲げた目標を理解し、整理し、完成していく時期でもあります。さらに、庭師が冬に備え不必要なものを取り除き冬の苗木を植え付け根おおいをし冬の庭園の準備をするように、人間も内的に集中力を高めることで、心を冬にむけ準備することで成長を図ります。


Spirit-精神
 精神も同様に季節により培われます。一年の中で秋は内向的になる季節であり、周囲の状況を振り返り、冬という内省的な季節に近づく時期です。自らの成長を振り返り、この時期までに成し遂げた成果(例えば仕事、学習、運動、人間関係等)に誇りを持つことができる素晴らしい季節です。


Foods-食べ物
 秋のエネルギーに働きかける方法のひとつとしてたべものを通じたものがあります。たべものを選ぶことは体、心、そして精神を養うことです。ここではそのいくつかを挙げてみます。


1.Adequate nutrition-適切な栄養
辛み。たんぱく質や良質な脂質を有している穀物や植物をベースとした元から十分な栄養を摂取することができます。適切なカロリーを摂取しましょう。そして必要に応じて野菜の中の穀物と豆の割合を増やしましょう。天候が涼しくなるような時には必要に応じてその割合を調節しますが、夏や晩夏では、野菜を食べる割合を高めていくことは素晴らしいことです。加えて、辛さやピリッとした刺激のある風味を、食事にいつもより多く取り込むよう心がけましょう。穀物と豆類での食事の質の良さは、その栄養価の豊富さにあります。風味や消化を助けるために料理にはいつもより多めの香辛料を使いましょう。シラントロや胡椒というような晩夏の香辛料から、生姜、ニンニク、シナモン、ホースラディッシュ(西洋ワサビ)、わさび、そしてマスタードといった秋の香辛料へ変えていきましょう。


2.Cooking techniques-調理技術
風味や温かさ、エネルギーを引き出す調理技術を使いましょう。それには、煮込み、圧力調理、焼きしめといった調理法があります。熱を集め温かい料理を頂くために長時間かけ食べ物を調理しましょう。豆を電気鍋で一日煮たり、パンを焼いたりするのもいいでしょう。そうすることで家の中も温かくなります。


3.Local seasonal foods-地元でとれる季節のたべもの
秋は実りが豊富な季節です。とてもたくさんのたべものを収穫最盛期のあいだ楽しむことができます。たとえば、全てを食べることは難しいですが、カボチャ類、人参、葉もの野菜などが挙げられます。痛みやすい緑の野菜やブロッコリーは最初に頂き、玉ねぎや冬かぼちゃなどの保存のきく野菜は貯蔵しておきましょう。
また、ナッツ類、種類、豆類、そして穀類の新ものを探してみましょう。カリフォルニアでは、私たちは玄米の新米を重用しています。晩夏までには作付した玄米を購入できます。9月や10月には、私たちは収穫したばかりの新鮮な風味を楽しめます。季節のたべものを楽しみ、楽しく食べましょう。野菜は冬の準備に向けたエネルギー貯蔵庫としての役割も果たしています。


4.Other foods-他のたべもの
金のエネルギーのためにもってこいのたべものは玄米、白い豆、白っぽいイモ類、玉ねぎ、ニンニク、キャベツそして大根です。これらの食材をほかのすべての穀類、豆類や野菜と組み合わせて頻繁に使っていきましょう。覚えておいてほしいのは、テーマはエネルギーを集めること、凝縮させることで、そのためにいろいろな食べ物や調理方法を使うということです。
 秋は収穫の時期です。多くの伝統芸能が感謝の祝賀とともに実りの豊かさを祝います。季節を楽しみましょう。そして、あなたの人生のすべての実りに感謝しましょう。
 たとえば呼吸器や消化器官の問題といった不調が秋に出ることがあれば、あなたがその不快感を取り除くためにたべものがどのような役割があるのかを考えてみるのもいいと思います。最小限の動物性と(あるいは)最小限の砂糖入りのたべものをとり、ほかの大部分を植物性ベースにした食事は健康に寄与し、多くの共通した問題を取り除く働きを持っています。もしあなたが健康状態に関して、特別なアドバイスを求めているなら、健康アドバイザーの資格を持つ人の助言を求めるといいでしょう。マクロビオティックを教える教師の多くや、ほとんどの伝統的な中医学術者は季節のエネルギーとその助言についてアドバイスしてくれるでしょう。


Fried Rice-炒飯
出来上がり:約1/2カップ分、一人前
炒飯は手軽で、いそがしいときには完璧な食事です。このレシピはあっというまにでき朝食にも最適です。「ぜいたく炊飯」に至っては材料と栄養価がさらに高いです。
 
・オーガニックで未精製のごま油、
あるいはエキストラバージンオリーブオイル:小さじ1/4~1/2杯
 ・みじん切りのニンニク:小さめを1片分
 ・ごくみじん切りにした生姜:小さじ1/4
 ・冷ごはん(玄米): 1/2カップ分
 ・小口切りした葱:大さじ2杯
 ・醤油:小さじ1/2杯


油を熱し、ニンニクと生姜を香りが出るまで30秒ほど炒めます。ご飯と葱をなべに加え、熱くなるまで絶えず炒めます。醤油を加えて味を調えましょう。




Superb Fried Rice-ぜいたく炒飯
出来上がり:約4カップ分
 ・オーガニックで未精製のごま油、
あるいはエキストラバージンオリーブオイル:小さじ1杯
 ・みじん切りのニンニク:2片分
 ・ごくみじん切りにした生姜:1インチ長さ分ほど
 ・みじん切りにした小さめの玉ねぎ:1個分
 ・いちょう切りにした薄切り人参:2本分
 ・千切りキャベツ:1カップ分
 ・海塩:小さじ1/4杯
 ・くずすか、小さめにカットした新鮮な固めの豆腐:1/2パウンド
 ・カレー粉:小さじ1/2~1杯
 ・醤油:大さじ1杯
 ・水:1/4カップ
 ・冷ごはん(玄米): 2カップ分
 ・付け合せのローストしたアーモンド、
ひまわりの種あるいはかぼちゃの種、あれば海苔の細切り:適宜
油を熱し、ニンニクと生姜を香りが出るまで1、2分ほど炒めましょう。人参、キャベツそして塩をいれ、キャベツが柔らかくなるまでソテーします。豆腐とカレー粉を加えてカレーの香りが全体になじむまでソテーします。
醤油と水を加え、ふたをして2,3分、野菜が柔らかくなるまで蒸し煮します。玄米を加えて火を通します。お好みで醤油を足します。
飾りにナッツ、種、そして(もしくは)のりを、サーブするときに添えます。
 このレシピは使い勝手がよく、調理済みのヒヨコ豆やほかの豆を豆腐の代わりに使うことができます。ブロッコリーや、カリフラワー、えんどう豆、生のとうもろこし、もしくはマッシュルームなどがほかの野菜の代わりに使え、いろどりのよさにも一役買っています。



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Seasonal Energy: Autumn(季節のエネルギー:秋)」は日本CI協会・編集部が和訳したものです。


GOMFの連絡先は下記となります。

英語版を読みたい方は下記のウェブサイトをご参照ください。


2011/10/24

浦島太郎の話を陰陽で解く

浦島太郎は物語の最後であけてはだめだという玉手箱をあけ老人になってしまいます。

かごめかごめの歌に陰陽の意味があるように、浦島太郎の話にも陰陽が隠されているようです。

話の中で一番問題になるのは、なぜ老人になるのか、ということでしょう。

「心は年をとらない」

この言葉は、「桜沢如一。100年の夢。」を執筆された平野隆彰さんがGOから学ばれたご自身の座右の銘ですが、この表現に答えがあるように思います。

私達の体は物理的に存在していますが、もとをたどれば元素の寄せ集めです。

「色即是空 空即是色」

これは空間には何もないのではなく、空間には全てがあるという意味です。

何も仏教の言葉を持ち出すまでも無く、西洋ではアインシュタインがこの点を指摘しています。

われわれは個として存在しているのではなく、見えない(空間という)世界の集合体として存在しています。

身土不二という言葉の意味は、その土地に取れたものを食べるべきだ、人間は土から生まれ還る存在だから、という意味ですが、何もこれはモノにだけ当てはまるのではないのです。

「心の身土不二」

その意味は、その人が、その時、その場所、そのタイミングで、最適な判断を下すことができる、そしてそれは直感によるものであるということです。

なぜ老人になるのか?本当に老人になったのか?元々老人だったのではないか?

自分のことを老人と捉える心の持ち様に問題があるのではないでしょうか?

では何故そのように捉えるのか?

それは、浦島さんに聞いてみないと分かりません。

「心は年をとらない」

だからGOは「永遠の少年」だったのではないでしょうか?

桜沢先生の著書にもある「永遠の少年」。

もう一度読み直してみたくなってきませんか??


2011/09/29

Lima Cafe 10月!

9月に引き続き、10月もLima Cafeオープンします。


とき:10/1(土)10/2(日)12:00~17:00
ところ:日本CI協会2Fホール


今回もリマ・クッキングスクール上級講師森先生が監修&調理を担当しています。


まずは前回に引き続きボリューム感たっぷりのプレートメニューはこちら。


リマスペシャル サンドイッチプレート 780円
(ベーグル等手作りパン/一口パスタ/お芋のサラダ/パンプキンスープ)


森先生特製の天然酵母パンに季節のオーガニック野菜をたっぷりはさんだ食べ応えのあるサンドイッチにバジルソースのパスタさつまいもサラダ、さらにかぼちゃのスープもついた、ボリューム満点の特製プレートです。




続いて毎回好評のマフィン。今回も2種類用意しました。
甘くって食べ応えもある、からだにやさしいマフィンです。


かぼちゃマフィンと穀物コーヒーマフィン 各300円




ドリンクには穀物ラテ(300円)とチコリコーヒー、紅茶(各200円)をお飲みいただけます。


フランス産のどんぐり、有機チコリ、いちじくなどをブレンドしたノンカフェインの穀物コーヒーを豆乳で割った穀物ラテは程良い甘みが楽しめます。どなたでも召し上がりやすりコーヒー飲料と有機栽培紅茶も是非。




さらに今回は、かぼちゃのプリンも300円でご提供。かぼちゃの甘みをいかした優しい味わいのプリンです。




小腹が減った時に最適、玄米おにぎり(100円)も販売いたします。


皆様のお越しをお待ちしております!

2011/09/27

自分の体、自分の心

自分の体を使っていますか、使われていますか?

自分の心を使っていますか、使われていますか?

体と心は不可分といわれます。お互いに繋がっており、お互いに作用しています。

どちらが良い・悪いというのではなく、どちらにどちらの先鞭を取らせるかということです。

私たちは大概、体に心を奪われがちです。現象界に生きている私達にはどうしようもないことかもしれません。でも、心に体をコントロールさせることも可能です。それが「直感」であり、「考える前に体が動く」ということです。

この直観力が大切な理由は、私達の日々の生活は不確実性の渦中にあるからです。想定外の出来事だらけの世の中で物事を事細かに分析していき、それに基づき実生活を送っている人は稀です。そんなことは出来ないし、できたとしても主観的な条件設定の下、限定的な「実験室」において可能です。私達の社会全体は「実験室」と呼ぶには余りにも広大で、不可知な領域が無限大に広がっています。その社会という実験室の中で頼りになるのは、自らの直感に他ならないでしょう。

たまには体に身を任せ、心を体の奴隷とすることもいいでしょう。それが楽しいのですから仕方ありません。ですが、その弊害もあります。弊害はあらゆる形で起こります。歳を重ねるにつれて体が動かなくなるのは、心が体の主人となっていないからです。ですから、そうすればよいのです。ですが、一朝一夕にはできません。判断力の向上は絵空事ではなく、日々の積み重ねです。直感力はどれだけ多くの情報に触れているかではなく、必要な情報にどれだけ多くふれているかとどうか、そしてそれの実験と反省により磨かれます。その判断のコンパスを陰陽に委ねれば、物事はよりクリアになります。

心と体、どちらを主人にしても良い・悪いはありませんが、できればその師弟関係を操り、人生を謳歌できる術を手にしたいと思いませんか!?





2011/09/15

遺伝子組み換え作物と社会変化に対するマクロビオティックのアプローチ:アレックス・ジャック氏へのインタビュー

キャリン・ニードリンゴー&アンディ・デービス

Q1.遺伝子組み換え作物に関する問題はどのようなものでしょうか?
食物の遺伝子工学は1990年代後半に公衆衛生と環境の問題として浮上してきました。遺伝子組み換え食物の第一波は、大豆とトウモロコシと綿を対象としていました。バイオテクノロジー産業がその三つを選んだのは、それらが近代アメリカの食生活、動物性食品の消費という基盤を形成していたからです。これらの食品の1/2から2/3は家畜飼料になり、残りの1/3から1/2は人間が消費しています。

遺伝子組み換え食物の第二波は、人間が消費している全粒穀物が対象となりました。全粒穀物は、人類の主食であり、世界的な生産と消費においてナンバーワンの作物です。地球上のほぼ全ての人間が、主食として米や麦、トウモロコシ、または雑穀を食べています。手始めは米で、バイオテクノロジー産業は、長粒米とバスマティ米が栽培されている南アメリカを対象にしました。次の対象は、合衆国の有機玄米のほとんどが含まれている短粒米と中粒米が育つ北カリフォルニアのサクラメントバレーでした。

2000年にわたしはエドワード・エスコー氏とともにサクラメントバレーを訪れ、ランドバーグファミリー農場やその他の有機稲作農家の長と面会しました。
 そのとき、モンサント社は遺伝子組み換え米を開発中で、翌年販売する計画を練っていました。カリフォルニア米委員会は遺伝子工学を支持しており、サクラメントバレーの農家の大多数は、異議を唱えませんでした。

Q2.国民の意識を高めるために行ったことは何ですか?
 まず、「モナーク蝶のいない世界を想像してください」という遺伝子組み換え作物の危険性に関する本を書きました。その本には、遺伝子組み換えされたトウモロコシを与えられたモナーク蝶の幼虫の45パーセントが死んでしまうという恐ろしい研究結果がのっています。この研究は人々の目を覚まさせるもので、下院議員デニス・J・クシニッチ氏の支持を獲得し、彼はこの本を薦めるために一筆書いてくれました。

次のステップは、アンバーウェーブというマクロビオティックの友人、家族、企業など、草の根ネットワーク組織の形成と、プラネットヘルスという非営利の教育機関の創設でした。わたしたちは雑誌をつくり、嘆願書を回し、地元の音楽コンサートを後援し、百人ほどのマクロビオティックの指導者たちを育成することで、遺伝子組み換え作物の危険性を訴えてきました。

最初の5年間、アンバーウェーブの主な目的は米を守ることでした。わたしたちは署名運動を行い、何万もの人々がわたしたちの嘆願書に署名しました。わたしたちは「有機米を救え」という本を新たに出版し、エドとわたしは2002年にカリフォルニアへ戻ってきました。わたしたちはカリフォルニア米委員会の理事と面会し、25,000名以上の署名を提示しました。彼はわたしたちの説明に感銘を受け、その後すぐにカリフォルニア米委員会は遺伝子組み換え米に対する援助を撤回しました。ついには、サクラメントバレーの稲作農家の大多数が遺伝子組み換えに反対するようになり、カリフォルニア州は遺伝子組み換え米の生産を不可とする法律を可決することになりました。

Q3.醸造産業の役割は何だったのでしょうか?
 この国の産業の中で最大の米消費者は、ミケロブ社、クアーズ社、ローリング・ロック社、バドワイザー社といったビール産業です。ビール会社の中には、実際に精米機を所有しているところもあります。わたしたちは、全米で6番目に大きいビール醸造会社であるサム・アダムズ社も含む東海岸のビール会社を数社訪れ、醸造の技術者の代表と面会しました。サム・アダムズ社は米を使っていませんが、わたしたちは遺伝子組み換え小麦にも反対運動を行っていたため、彼らに問題の再考を促しました。数年後、アメリカ南部の米作物が汚染されはじめたとき、バドワイザーを作っているアンホイザー・ブッシュは、遺伝子組み換え反対を決定しました。

Q4.ワシントンDCには赴きましたか?
ワシントンには数回訪れました。わたしたちは、食品に遺伝子組み換えの表示義務を初めて要求する法律の主唱者であるクシニッチ下院議員と面会しました。わたしたちは、環境保護庁(EPA)、食品医薬品局(FDA)、南部からの米の輸出を推進しているアメリカ米連合会へ行きました。ホワイトハウスの近くで、小麦産業の代表的な取引ロビー団体である合衆国小麦連合会(USWA)とも面会しました。

USWAとの面会はきわめて重要でした。協議会は、遺伝子組み換え作物の危険性と、ヨーロッパや日本がアメリカの小麦をボイコットする可能性に関与するということを認識したのです。わたしたちは彼らに本と、科学的な記事と、嘆願書を渡しました。USWAは小麦産業のその後の首脳会議で私たちが手渡した資料を使用しました。モンサント社は遺伝子組み換え小麦を推進していましたが、USWAは消費者が遺伝子組み換え小麦に対して憤慨していること、また農家が神経質になっていることを表明しました。最終的に、モンサント社は敗北を認めることになりました。

Q5.表示が義務付けられていないのはなぜですか?
アメリカの議会では、表示に対する投票が行われたことがありませんでしたが、デニス・クシニッチ氏は議会で気炎を上げ続け、毎年より多くの支持者を獲得しています。彼の法案の主な要点は、すべての遺伝子組み換え食品と成分を明確に表示すべきだということです。現在のところ店舗に行って、はっきりとそれを知る手立てはないからです。

合衆国の全ての加工品のうち75%は、大豆、トウモロコシ、綿が占めています。その市場の7590%で遺伝子組み換えが行われているため、この国の加工品の大半が遺伝子組み換え食品であると仮定する必要があります。多くの国々、特にヨーロッパでは、表示義務があります。アメリカの食品産業が表示に反対しているのは、消費者の間でこの問題に対する懸念が出てくるだろうことがわかっているからです。多くの農家と同じように、食品の売り手は主に利益について懸念しているのです。利益を上げている限り、彼らは健康と環境問題にかかる費用を無視するのです。

Q6.有機栽培のトウモロコシや大豆は問題でしょうか?
大きな問題です。言葉の定義上、有機食品には遺伝子組み換え原料は含まれていないのですが、抜き打ち検査では、多くの有機食品が汚染されているということが分かっています。例えば、ウォールストリートジャーナル紙は、全米の有機食料品店やスーパーマーケットにある有機豆腐のサンプルの検査を第三者検査機関に定期的に依頼しています。検査では、75%にのぼる豆腐が汚染されているということが分かりました。

Q7.遺伝子組み換え小麦についての最新情報にはどのようなものがありますか?
5年程の間、バイオテクノロジー産業は小麦の流通経路探索を放棄していたのですが、2年前からこの分野に再び進出してきました。今回、モンサント社は、気候変動への解決策として、干ばつに耐えるさまざまな小麦の開発を推進していると発表しました。広報という面からみれば、これは賢い方策です。しかし、わたしたちは農家と消費者にこれが羊の衣をまとった狼だということを納得させるために、新たな対抗手段を考えなければなりません。

一方、USWAは遺伝子組み換え推進派に引き継がれ、モンサント社は農家、貿易商、パン屋、政治家からの支持を得るために数百万ドルを分け与えています。小麦は合衆国の主要な穀物であり、輸出農作物のトップでもあるため、これはアメリカの農家と世界の農業に多大な影響を与えることになるのです。

Q8.米についてはどうでしょうか?
45年ほど前に、合衆国から輸入した長粒米が遺伝子組み換えによって汚染されていることがヨーロッパでは日常的な抜き打ち検査で分かりました。このことはアメリカ南部の稲作農家にとって大変衝撃的な出来事でした。というのも、遺伝子組み換え米は研究の目的で少量栽培されているのみで、市場には出回っていないからです。

ヨーロッパはアメリカの米の不買運動をおこし、日本がそれに続き、アメリカ南部の米産業は壊滅的状況に直面しました。ここ数年の間は、アメリカの稲作農家はひどい苦境に立たされています。収穫物を汚染することになった遺伝子組み換え米の販売元であるバイオテクノロジー企業・シンジェンタ社に対して数千もの訴訟が起こされました。陪審員は農家に対して数百万ドルの和解金を与えています。この話は、アメリカの稲作農家が遺伝子組み換え米反対に転換しつつあるということをはっきりと裏付けています。この国で、加工された米が廃れるのは時間の問題でしょう。

Q9.メキシコではどんなことが起こりましたか?
遺伝子組み換え作物と通常の作物が並んで生育されている場所では汚染の影響を見ることができます。数年前、古代からトウモロコシ栽培が行われてきたメキシコでこの事が発見されました。その時点では、メキシコでは遺伝子組み換えトウモロコシは栽培されていませんでしたが、合衆国からほんの数名の栽培者によって持ち込まれました。汚染は、輸送中のトラックから落ちた、または吹き飛ばされたものが在来のトウモロコシと混ざり発生しているようでした。結果的に、数千年前からある在来品種のトウモロコシは品不足となり、これはヨーロッパ人によるメキシコ征服と同等の悲劇となっています。

Q10.遺伝子組み換えのアルファルファについてはどのようにお考えですか?
遺伝子組み換えのアルファルファは、ラウンドアップレディ除草剤を承諾するために、2年前にモンサント社から売り出されました。遺伝子組み換え種子の導入と承認のための手続きは、この国ではあいまいなのです。異種のアルファルファは、EPAによる適正な環境検査を受けずに市場に流れ込んできました。それから、連邦裁判所は、全面的な田植え禁止を命じましたが、その後、控訴裁判所は例外事項目を決定しました。最終的には、名目上の権限を持つ米国農務省が、この問題に取り組み始めました。

農務省長官のトム・ヴィルサックは、遺伝子組み換え作物と通常の作物とを大幅に区別するという折衷案を見出そうとする考えをあざ笑いました。作物同士の間の距離に関係なく、汚染は必然だと感じている多くの農家と同様に、バイオテクノロジー産業はこの提案に反対しました。オーガニック業界はこの問題に対して厳しく賛否の二派に分かれました。結局のところ、ヴィルサック長官は遺伝子組み換えのアルファルファの無制限の市場への導入を支持しました。

有機食品産業は、アルファルファは乳牛の主食なので、最終的にはオーガニックの牛乳や乳製品の汚染につながるだろうと懸念しています。多くの農家はアルファルファを土壌を肥沃にするための保護作物として使用しています。野生栽培と慣行栽培されたそれぞれの植物の間での交差汚染の可能性が高くなっています。その結果は途方もないことになるかもしれません。米国農務省の承認は上訴されており、最高裁判所まで達する可能性があります。

Q11.遺伝子組み換えの飼料を与えられた動物に好ましくない影響はあるでしょうか?
英国とロシアの調査によると、遺伝子組み換え飼料は動物の臓器に悪影響を与えることが分かっています。事例による証拠は豊富にあります。農民や園芸家、ペットを飼っている人は、遺伝子組み換えの飼料を食べた牛や鶏、山羊、犬、または猫が病気になっていることに気付いています。また、加工されたものではなく自然な食べ物を直感的に選んでいる動物が、野生にも家畜にも非常にたくさんいるのです。

Q12.あなたの現在の取り組みはどのようなものでしょうか?
遺伝子組み換え米の問題は合衆国では現時点では大きく取り沙汰されていませんが、他の世界各地では非常に活発です。数年前、世界一の米生産国である中国は、遺伝子組み換え米を導入しようとしていることをほのめかしました。中国が遺伝子組み換えに手を出せば、他の東南アジア諸国の多くがそれに追随する恐れがあります。ワシントンで、エドとわたしは中国大使館に行き、科学技術と農業の担当官に会いました。わたしたちは遺伝子組み換え米に対する訴訟を行い、農業省にわたしたちの資料を提示しました。全く予想外のことでしたが、中国は態度を翻し、遺伝子組み換え米の一時禁止を発表したのです。しかしその二年後に、中国は政策を覆し、数年の間に遺伝子組み換え米を売り出すと公示しました。それは地上で最も深刻な脅威です。

最近わたしたちが関わっている分野は遺伝子組み換えの藻類です。 ここ数年、石油の代用として藻類を開発する傾向がありました。 エクソン社やシェル社を含む主な石油会社がこの競争に飛び込んできました。 この開発には好ましい一面もあります。というのは、藻類は食糧消費のためには使用されませんし、繁殖が速く、また大気中の炭素を取り除くからです(炭素固定機能)。 藻類は、食用ではなくエタノールやバイオディーゼルとして現在広く活用されており、トウモロコシや砂糖、ヤシ油に取って代わる可能性をもっています。
 
成育時に土地や作物を奪わないという点は藻類のプラスの側面ですが、マイナス面としては、生来の自然環境に異質な生体系を持ち込むという点があります。藻類は食物連鎖の最初に位置するので、その質が全てに影響を与えますし、藻類は世界の酸素の6070%を生み出しているのです。遺伝子組み換えの藻類が環境に導入されると、大気の酸素の性質を変えることになりかねません。この予想外の結果はあまりにも大きいので、わたしたちは十分に慎重であるべきです。
 
天然の藻類の未来は明るいです。 わたしたちは、農家のエネルギー的自立を補助するためバークシャーグリーンエナジーという小さな会社を設立しましたが、同様に食物自給も援助しています。 わたしたちは、農家が天然の藻類を育て、それをトラクターや船で使用する燃料に変換するための支援を考えています。藻類は、発電用としてバイオマスのように活用することができます。

Q13.一般の人々には何が出来るでしょうか?
第一に、遺伝子工学と、それが人間の健康や環境に与える影響について勉強することです。たとえば、マクロビオティックカウンセラーが注目している人体への影響のひとつに、一般に販売されているトウモロコシ(遺伝子操作されているモノが大半ですが)の摂取と不妊との間の関係性があるように思われています。カウンセラーは、子どもができないという相談を受けたときに、彼(女)に対してこう言います。「トウモロコシは食べないように。もし食べるのであれば、有機栽培のものにしてください。それで、妊娠できるかどうか見てみましょう。」アレルギーや疲労、うずきと痛み、皮膚の問題に関する相談もあります。こうした症状の原因は可能性として多々ありますが、有機栽培か慣行栽培かどうかには関係なく、豆乳やその他、加工度の高い大豆製品の消費に起因していることがよくあります。そのような食品の摂取を中断してみれば、症状の原因が明らかになるかもしれません。英国の研究によれば、豆乳が一般的に飲まれるようになると、アレルギーや皮膚疾患が増えたことが分かりました。

第二に、自分の食べ物は自分で育てるか、または少なくとも自分の食べ物を誰が育てたのかを知ることによって、自己依存度を高めることです。こうした行動を通し生産者との関係を築いていき、彼らに自分の不安を打ち明け、彼らは汚染を避けるために自分たちが今何をしているかをあなたに伝えることができます。

第三に、他の人々の教育を助けることです。地元の人々がイニシアティブをとることで効果は高まります。小さな食品会社に、自社製品に非遺伝子組み換えと表示させるようにしむけましょう。現状、表示義務がないため、ラベル効果は増加傾向にあります。いくつかの自然食品会社は自社の遺伝子組み換え不使用または非遺伝子組み換えの表示を導入しましたが、バイオテクノロジー産業からの批判にあいました。自主的な表示は遺伝子組み換え食品を中傷することになり、名誉毀損につながると主張したのです。というのも、米国政府によれば、遺伝子組み換え食品は、普通の食品と同様に安全だとされているからです。小さな自然食品会社の多くは、遺伝子組み換え不使用の表示を使ったことで告訴されました。そうした会社は訴訟費用を捻出する余裕がないため、表示を外すという選択をしました。しかし、ここ数年、米騒動や、未承認の遺伝子組み換えトウモロコシが何百万ものトルティーヤ(トウモロコシ粉か小麦粉から作られた薄いパン種を入れてないパンケーキ)に使われたという事件が起こったことで、自主表示が広がってきています。主流の食品産業さえも、食物連鎖(流通経路)にこれ以上の遺伝子組み換え食品を導入することを望んでいない状況です。

アメリカの大きな食品企業の多くが、オーガニック業界に参入してきています。ペプシ・コーラ社、コカ・コーラ社、ジェネラル・ミルズ社など、その他多くの多国籍企業は、先駆的なオーガニック企業を買収し、製品に非遺伝子組み換えと表示し続けています。創設当初からアンバーウェーブは、食品業界が最後の番犬であり、消費者に敏感であるという見解をとってきました。自分たちの心配や懸念していることを表明する人々が増えれば、食品業界は市場から遺伝子組み換え食品を締め出すこと、あるいは少なくとも表示を要請することに好意的に対応してくれるでしょう。消費者のボイコット(不買行動)を望んでいないからです。

最後に、良いものを食べ、家族や、友人や、隣人と話をしてください。良好な健康状態と、穏やかな精神状態をもつ模範人となってください。それが最も効果的です。内省と教育の道程は、個人的変化と社会的変革への究極のマクロビオティック的アプローチです。

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マクロビオティックの指導者で、食事療法のカウンセラー、またジャーナリストでもあり環境問題専門家でもあるアレックス・ジャックは、アンバーウェーブ社の設立者であり、同社の社長です。アレックスは、食事療法や健康、またヒーリングアートに関する25冊の書籍を著し、または編集しています。彼はベトナムでのレポーター、イーストウェストジャーナル紙の編集長、クシファウンデーションの総支配人、ワンピースフルワールドソサエティの監督も務めています。彼は広範囲にわたって教育活動を行っており、アムステルダムにあるヨーロッパのクシインスティテュートや、東京のジョージオーサワセンターの客員教授でもあります。アレックスは奥様のゲールと一緒に中米バークシャーに住んでいて、カウンセリングの実践を活発に続けています。アレックスへの連絡はこちらのアドレスまたはアンバーウェーブ社にコンタクトをとってください。
Address: Amberwaves, P.O. Box 487, Becket MA 01223
TEL: 413-623-0012

キャリン・ニードリンゴーとアンディ・デービスは、フィラデルフィアとペンシルバニアにあるデニー&スーザン・ワックスマンの健康強化学会における総合的な教育プログラムを修了し、エドワード・エスコーとともにマクロビオティックの哲学の勉強と実践を続けています。彼らはニューヨークのナッソー在住で、5エーカーの敷地で有機野菜と花、ハーブの栽培を楽しんでいます。

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「GMOs and the Macrobiotic Approach to Social Change:An Interview with Alex Jack(遺伝子組み換え作物と社会変化に対するマクロビオティックのアプローチ:アレックス・ジャック氏へのインタビュー )」は日本CI協会・編集部が和訳したものです。


GOMFの連絡先は下記となります。

英語版を読みたい方は下記のウェブサイトをご参照ください。


2011/09/10

読書の秋に向けて! はじめてご注文の方限定送料無料キャンペーン実施!

期間中、はじめてご注文をいただいた方には、
ご購入金額に関わらず全て送料無料でお届けいたします!!


キャンペーン期間:2011910日~30

キャンペーン対象:日本CI協会にはじめて書籍をご注文された方

対象商品:日本CI協会取扱の書籍及びCDDVD


☆★気になる本はこちらから☆★



注意 : 発送方法はお選びいただけません(薄い書籍一冊程度の場合はヤマトメール便、東京都内の発送の場合はエコ配、それ以外の地域はヤマト宅急便)。

2011/08/30

Lima Cafe 9月!

猛暑だ!節電だ!とぼやいておりましたが、気が付けば季節は秋ですね。
8月はお休みしましたLima Cafeですが、
9月からはまた元気に営業いたします!

9/1(木)9/2(金)12:00~17:00
日本CI協会2Fホールにて

さて、今回はリマ・クッキングスクール上級講師森先生の登場です。
実は森先生、おいしい蕎麦を打つことでも有名?ですが、
パン焼き名人でもあるんです。
そのパン焼き名人森先生が挑む今回のカフェ。
気になるメニューとは!

・サンドイッチプレート 780円
①森先生特製のベーグルやフォカッチャにカレー風味の高野豆腐カツ、
バジル風味のマッシュポテトをサンドした、ボリューム満点のサンドイッチ。
もはやサンドイッチ伯爵の食べたような、ひとくちサイズではございません。
②トマトソースのパスタ
③ひよこ豆と胡瓜のコロコロサラダ
④コーンスープ

・毎回好評即日完売!のマフィン 各300円
ソイミルクティマフィンとオレンジマフィンの2種

・ドリンク 
ソイラテ 300円
穀物コーヒー 200円

ぜひぜひ皆様のお越しをお待ちしております!

2011/08/17

難あり有難し

桜沢先生の生の声(『判断力の話』)がYou-Tubeにアップされました。初めてお聞きなる方もいるかと思います。先生の実際の声もさることながら、話の内容にも感動を覚えます。是非、みなさん一度お聞きになって下さい。


http://www.youtube.com/watch?v=CB33-tRMCOk&feature=youtu.be


『判断力の話』のなかで、先生は「陽性なる方法」について問われ、「難あり有難しですね」と応えておられます。


マクロビオティックの目的とも関係するこの応対は特に大事です。つまり、その目的は陰陽判断力を向上させていくことで以前はできなかったことが、できるようになる、ということです。現在、自分が陰(陽)性だから逆に転回すればよい、その際に、そもそも自分がどちらの性のなかを判断する力がないとどうしようもありません。


他人の判断力を借りた判断力では真の自由を手にすることはできません。マクロビオティックの目的は好きなことを精一杯できるようになること、自由な人生を手に入れることです。現代人は肉食過多で陽性をもう摂ることができないから、陰性なもので凝り固まった陽性な性質を溶かす必要がある、と言われていますが、果たしてそれも本当でしょうか?人間の血液は75日で入れ替わります。古い血がそのまま体内に停滞して対流しているはずがないのです。であるならば、陽性(陰性)過多の状態がずっと継続していると思わされることもおかしいのです。人間の身体は常に変化しており、それを司っているのが食べ物です。体質は食事で変わる、このことが11月23日に開催されます、医学シンポジウムでのテーマでもあります。


マクロビオティックの目的を自分の生活に実装することで、真に健康で自由な生活を営むことが出来るようになります。是非、他人の判断に頼らずご自身の判断力の向上を目指して下さい。その前に、まずは『判断力の話』を聞いてみましょう。













2011/08/13

Seasonal Energy: Late Summer (季節のエネルギー: 晩夏)



ジュリア・フェレー


伝統的な中医学では、自然界における普遍的な移ろいを表すために五つの変化という考えを採用しています。五つの要素、五つのエネルギー、五つの段階、五つの季節などと時に呼ばれているこれら五つの変化は、 私たち人間の身体、心、そして魂レベルにも影響を及ぼしています。これらの移ろいとの調和を図ることによって、私たちは健康を増進し、バランスを保ち、情熱を持って人生を歩むことができるのです。





晩夏は誰しも好きな季節です。それは、この季節が暑いからという理由のためではなく、この季節特有のネルギーにその理由があります。晩夏は休暇の季節であり、一年における活動と休息、あるいは外で活発に遊んだ後の午後の昼寝のような、バランスを取る時期といえます。晩夏は午後の一服の時間帯であり、その日の仕事を切り上げる前にウォータークーラーの前で一息つく時間帯です。8月は夏の土用と呼ばれ、新しい学期が始まる前の最後の休暇時期をビーチにくりだし、リラックスして楽しめる最後の時期に相当します。

五つの段階を把握することにより、エネルギーが一体どのようにして、なぜ私たち人間の身体に体現されるのかがわかります。この五つの段階とは、一年というサイクルの顕著な特徴であり、自然界の流転、つまり誕生の春、成長の夏、収穫の秋、そして衰退の冬を表しています。私たち人間も同様にこの流転を体現しており、それは表1に見ることができます。




Body-身体
 身体は季節に反応します。土用の時期はエネルギーのバランスが取れている時期であり、夏真っ盛りの急速な拡散期と秋の兆候を垣間見ることができる収束期の初期段階との間にあたります。庭に視線を移すとそのことが良く分かります。たくさんの果物や野菜が実を結び、植物の青々とした色が見られなくなります。五つの要素の中で土用に対応するのは土であり、それは物事の土台となるエネルギーと継続のエネルギーの象徴です。私たち人間は、土壌を耕し、家を建て、土の上を歩き、行動し、移動するなどし、土という要素をベースに生活しています。土は全ての生命の母体であり、食物を創り、朽ちていくもの全てを受け入れてくれます。

 身体は季節に対応しています。私たちは晩夏に、夏の太陽や野菜、そして心地良い天気により活気づけられ、たくましく健康になるといいます。夏の強烈な暑さが和らぐ晩夏には天気が穏やかになり、身体を動かすのにも知的活動を行うのにも最適な時期です。天気が極端に暑すぎたり寒すぎたりすると、それに対応するだけで身体が参ってしまうことが多々です。晩夏は強烈な熱気の後の時期であり、まだまだ暑い日があるにしてもそれは稀であり、思考するのに最適な時期です。一年の他の時期ではなくまさにこの時期に休暇を取ることで、より深層レベルにおいて精神と肉体の統合が活発化する契機となるのです。

 晩夏の風味は、食べ物のなかで大部分を占めている甘みです。甘みとは砂糖の甘みではなく、満足感が得られる甘み、つまり長くご飯を噛むことで口の中に広がる甘みです。対応する臓器は胃、脾臓、膵臓です。膵臓は、血糖値を制御するホルモンであるインシュリンを排出する臓器です。脾臓は血を監視する臓器です。中医学では、解剖学的な意味での臓器というよりも、消化器官としての碑臓を捉えており、食べ物からエネルギーを受け取り、抜き出すという二元的に機能があると考えられています。

 このことを象徴的に表しているのが胃です。胃は空洞の臓器であり、その中に食べ物が入り、そこで消化液と混ざり消化されます。胃は授受の場、つまり、食べ物を食べ、その栄養分を身体に還元する臓器です。

 晩夏のエネルギーにもこの象徴性が表われており、それは拝受の時期、活動と休息の時期、外向性と内向性の時期、やる気に満ち満ち活発に動き回る時期と足を止め休息をとる時期などに相当します。

Mind-心
 心も季節に反応します。晩夏は心のバランスがとれる季節であり、活発に考える季節であるとともに、心地よくリラックスもできる時期です。この傾向を垣間見る一つの方法としては、その年の初めにたてた目標のうち、すでに達成してきたことを思いだすことです。何を達成し、何がまだ残っているのか?それは晩夏の庭のようなものです。植物は食べ物を創ります。まだまだ満開の状態のものもあれば、枯れたものもあり、これから実を結ぶものもあります。

 晩夏のエネルギーが安定すると、私たち人間も満足感を覚え安定してきます。エネルギーが不安定だと、喜びをまったく感じません。おそらく私たちは、落ち込み、不満になり、文句を言うようになります。食べすぎた後に未消化の状態のままだと胃が苦しいと感じるように、不安定なエネルギーは心配を生みだします。この時期、心を安定に保つ上で重要なのは、活動と無活動の適切なバランスを探ることです。つまり、活動をしつつも、やり過ぎないよう注意することが重要です。

Spirit-魂
 魂も同様に季節により養われます。レニー・ルビンは占星術的に見た場合の夏と晩夏の意義を次の例を挙げ私に教えてくれました。7月から盛夏の時期はかに座にあたり、月と関係のある時期です。8月から晩夏の時期はしし座にあたり、太陽と関係のある時期です。このふた月は絶妙な影響力を保ち、晩夏の土のエネルギーを安定させると同時に、互いの月を安定させます。かに座は身体を養う月であり、しし座は魂を養う月です。

 レニーによれば、かに座の月には細胞の奥深くのレベルで身体が癒える機会が訪れ、心臓が強くなり、循環が活発になり、エネルギーが鼓動します。しし座の月は、心をさらに開放することで周りの人に対する愛情を深めていく月であり、関係を築き、魂を癒す月です。

Foods-食べ物
 晩夏のエネルギーを生活に取り入れる方法の一つが食べ物です。身体、心、魂を養うことができる食べ物を選びましょう。具体的には次のように挙げられます。

1.Adequate nutrition-適切な栄養

甘み。甘い食べ物からの過剰摂取ではなく、適切な栄養から甘みを得ること。過ぎた甘み、とくにデザートや甘味料からの甘みは、実のところ、胃を傷つけてしまう。他の季節のときのように、晩夏においてもたべものとの関係は、またちょっと異なるものとなる。ほかの季節では、お勧めは風味の量をすこし増やすこと-春にはより多めにレモンや梅干しのような酸味をとることや、夏にはより多くの苦味を緑の葉もの野菜からとることである。晩夏に向けては、甘みを上手にとりいれる慎重さと、献立にバランスよく生かすことを助言する。酸味、苦味、甘み、塩味、辛味といった全ての風味を組み込み、甘みを最優先にさせることは避けること。そうすれば、消化器官はずいぶんと快適になるだろう。
 
甘みを組み込む方法としては、穀物や植物性たんぱく質、良質な脂質から得るやり方がある。こうした食べ物は、完璧な栄養を引き続き摂取する際の補給源であり、満足のいく甘みを摂取するうえでのベースとなるものである。カボチャ、人参、サツマイモなどをとってもみても分かるが、果物や野菜は甘みに満ちている。晩夏はこれらのたべものを食べられる一番いい季節というだけではなく、桃をたべる機会があり、一口ずつ味わうことを意識しながらも寛いで食べられる時でもあるのである。

ここにはいくつかの風味を得る方法を載せてある。甘さはもちろん、すくなくとも他2種類の風味を毎日プラスできるような多様さを、あなたなりにベストを尽くして組み入れてほしい。




2.Cooking techniques-調理技術
食べ物の持つ甘さを引き出す調理技術を使おう。それには、煮たり、塩を使った調理、ソテーや湯通し、短時間の蒸しあげ、といったことをする前に、穀物や豆類は水に浸けるなどがある。赤玉ねぎ、生の人参、トウモロコシ、そしてトマトも入れた穀類と豆のサラダを作ろう。これなら果物や野菜を十分な量消費できるだろう。新鮮なサラダは、晩夏のエネルギーや消化器官を、鎮静、リフレッシュさせてくれる。レモンと梅干し、そして酢を使ったドレッシングは特に美味しい。

風味を増し、暑さに順応する体作りのためにはスパイスを使うといい。カレーやチリペッパーは熱を払いのける働きのあるスパイスで、夏の気候や熱を溜め込みやすいからだの人にはうってつけだ。しょうがとにんにくは熱を保つという温める働きのあるスパイスで、涼しい気候の間、体内の温かさを確立させたい時に役立つ。ほかのハーブやスパイスは消化力を増進させる効果に優れている(これは全般的なことと、夏の効用の両方に言える)。クミン、コリアンダー、ターメリック、バジル、パセリ、ミントそしてシラントロをためしてみるといいだろう。

新鮮な空気の中、キャンプやソーラークッキング、バーベキューなど晩夏は屋外で料理するのに最適な時期である。たとえばトウモロコシの丸ごとや、きのこにピーマン、玉ねぎなど沢山の野菜をそうするように、魚も非常に美味しくグリルできる。もしあなたが完全菜食者で、裏庭での料理を億劫がることもなければ、便利なものがたくさんでているので、それらを探して屋外料理に気軽に参加してみてはいかがだろう。多くのエリアでは、晩夏は夏と似ており、余分な熱を生み出してしまう調理法を避けることが重要になる。しかしながら、晩夏がより涼しい気候へ進むように、調理方法も、長めに煮込んだものや、焼いたものを組み入れつつ、すこしずつ適応させていく。

3.Local seasonal foods-地元でとれる季節のたべもの
晩夏は季節のたべものが豊富な時期である。ファーマーズマーケットは最盛期だ。種類の豊富さを上手く利用して、ナス科(トマトやピーマンなど)でない野菜を探し出そう。オクラはブラックアイドピーやサヤインゲン、きゅうりのように素晴らしい野菜である。

メロン類は手に入れやすさや新鮮さでは絶頂期である。メロンやスイカは午後のおやつ向きの完璧な軽食になる。メロン類は水気があり、他の果物よりも甘みが少ない。メロン類の消化は早く、胃袋が空っぽの状態ならば20分以内で消化されていく。最適な消化のためには、メロン単独を食べること。豆を使った料理のあとにメロン類を食べることは特に避ける。豆の長時間消化に加えて、メロンのすばやい消化はガスやおなかの膨満感を作り出してしまう。

4.Other foods-他のたべもの
地球のエネルギーのためにいいたべものはカボチャ、雑穀、サツマイモ、そしてカボチャの種である。これらのたべものをほかの穀物、豆類、そして野菜と組み合わせて、こまめに食卓にのせてほしい。主題は「調和」だということを覚えていて欲しい。そのために色々な種類のたべものや調理技術を使うのだ。

晩夏は一年のうちの一番賑やかな時である。もしもあなたが晩夏の時期に、消化不良、肌のトラブル、アレルギーというようなアンバランスさを抱えているなら、不快さを対処するにはたべものがどのように働くかをじっくり考えるといい。動物性食品と/あるいは砂糖が入った食品を最小限にし、大部分を植物性食品主体とした食事療法は健康にたいして伝導性があり、またたくさんの共通した問題を取り除く助けとなる。もしもあなたが健康な状態で、特定のアドバイスを望んでいるなら、有資格の健康管理者によるアドバイスを探すといい。多くのマクロビオティック指導者やほとんどの伝統的な中医学実践者は、季節のエネルギーとその提案について相談にのっている。

Black Eyed Peas with Seitan-ブラックアイドピーのセイタン添え
出来上がり:約3カップ分

私が8年生のとき、私の家族は南テキサスに暮らしていて、そこで私たちはしょっちゅうバーベキューや美味しい南部料理やテキサス流メキシコ料理をもてなしていた。

ベーコンを添えた新鮮なブラックアイドピーの皿がたくさんのテーブルを美しく飾ったものだ。これは、その皿を私なりにつつましやかに再現したものである。ごはんや、パスタサラダ、ゆでたトウモロコシ、そしてグリーンサラダなどと一緒にお出しするといい。バーベキューなら、サーモンを焼いたものもいいだろう。
 
・新鮮なサヤつきブラックアイドピー:1パウンド
 ・海塩:小さじ1/41/2
 ・セイタン:1/2カップ
 ・葛粉:大さじ2
 ・揚げ用のココナツオイル

ブラックアイドピーのサヤを外す。豆をフライパンにいれ、かぶるくらいに水をさしたら火にかけ、茹でる。柔らかくなるまで煮る。もし豆が新しくて緑色なら10分ほどで調理できる。もし豆が古くベージュ色なら30分ほどかかるだろう。豆を覆うくらいを保つように、必要に応じて水を足す。柔らかくなったら塩を足してさらに5分ほど煮る。

そうしている間に、セイタンをひとくちサイズにスライスする。葛粉をまぶしてココナツオイルで香ばしく揚げる。豆が仕上がったら、水気を切り、セイタンと混ぜ合わせて出来上がりだ。


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Seasonal Energy: Late Summer(季節のエネルギー:晩夏)」は日本CI協会・編集部が和訳したものです。


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