2014/09/08

Response to Transmutation-Reality or Macrobiotic Fairy Tale原子転換―現実か、マクロビオティックのおとぎ話か?に対する回答

エドワード・エスコー

















現代科学はおとぎ話か?
低エネルギー原子転換が神話(おとぎ話。疑似科学。)であるか、現実であるかを考える前に、現代科学こそがおとぎ話であるとする理由を考えてみよう。20世紀初頭におけるアインシュタインの等式と(その後の)量子論を受け、現代物理学は実際の実験に基づいたモデルから旅立ち、数学を基本とした純粋理論モデルへと移行した。アインシュタイン自身でさえ、現実の世界で実際に実験を行うのではなく、いわゆる「思考実験」を通じ多くのアイデアを考えだした。

 アインシュタインの相対性理論に基づき発生したモデルが、いわゆる「ビッグバン理論」である。ビッグバン理論では、約130億年前に、強大な爆発が起こり全ての宇宙が始まったとしている。爆発前、全ての銀河、銀河団、星、惑星、星間塵とガス、ありとあらゆる生物を含め、全宇宙は「特異点」という極小点の中にあった。

 ビッグバン理論は純粋に数学的構造で成り立っている。地球上での実験や現象の観察を通じ証明あるいは否定されてもいない。何百万もの銀河を包含する極大フィラメント(それぞれの紐が銀河である光の紐が数百万光年にも渡り伸びている巨大なクリスマスツリーのようなもの)の発見は、宇宙が実際には130億年よりもずっと古く、ビッグバン理論と矛盾することを示す。そうした巨大な構造物が生成されるには130億年以上の時間が必要である。

1986年、天文学者たちは、幅30億光年、厚さ10億光年、直径30億光年にも伸びる超銀河団を発見した。そのような銀河団ができるには800億年を要する。

1989年、長さ50億光年以上、幅20億光年、厚さ1500万光年に及ぶグレート・ウォールと呼ばれる銀河の広がりを発見した。そのような構造物ができるには1000億年を要する。

2003年、天文学者たちは、長さ133600万光年の超銀河団、スローン・グレート・ウォールを発見した。そのような銀河団ができるには2500億年を要する。

 ビッグバン理論に挑戦を挑む別の研究は、クエーサー(準星)の研究である。従来の天文学では、クエーサーが宇宙で最も遠くにある星だと教えている。クエーサーの高赤方偏移は、それが膨大な速度で後退していることを示す(物体の赤方偏移が高ければ高い程、後退速度も速くなる、と標準天文学は教えている)。

 ところが、高赤方偏移を持つクエーサーが低赤方偏移の銀河と関係があるとする発見は、赤方偏移と後退速度の等式議論に疑問を投げかける。典型的ではない銀河を研究していた際、天文学者のホルトン・アープは、高赤方偏移クエーサーが近くの銀河と結びついていることを発見し、実際は、活動的な「親」銀河から放出されたのかもしれないと考えた。アープは、後退速度は赤方偏移を決定する唯一の要因ではないかもしれないと理論的に考えた。彼は、赤方偏移の速度要素とそれが元々持つ生来の要素を分けてみた。典型的ではない銀河研究を通じ、アープは、本質的な要素とは、物体年齢の機能であると結論づけた。つまり、低赤方偏移銀河と関連する高赤方偏移クエーサーは比較的若い物体だったのだ。

クエーサーは、宇宙で最も遠方の物体では決してなく、実際は比較的近隣の銀河系の一部であるかもしれない。この発見は、ビッグバン理論の根拠である膨張する宇宙論に疑問を投げかける。
(この点に関してはThe Big Bang Never Happened, by Eric Lerner, Vintage Books, 1991Seeing Red: Redshifts Cosmology and Academic Science, by Halton Arp, Aperion, 1998を参照)

 実験で確認されない限り、ビッグバン理論はおとぎ話のままだ。ビッグバン理論に対する批判がますます高まってきているが、主流派の科学、メディア、一般大衆にはこれまで通り福音として受け入れられ続けている。

 ビッグバン理論の欠点が明らかとなるにつれ、理論物理学者たちは、その矛盾を覆うように独自の数学的説明を施している。彼らは、「ダークマター」「ダークエネルギー」「ブラックホール」「ひも理論」「ワームホール」などの概念を発明した。こうした純粋に観念的な概念発明の代表的先導者がイギリス人の物理学者であり人気作家であるステファン・ホーキングである。こうした想像物はどれも現実を反映してはいない。実験で証明されるか、否定されるかされねばならず、一般大衆だけでなく科学界の多数により事実として受け入れられなくてはならない。

電気太陽か熱核太陽か
 理論物理学と宇宙論(宇宙の起源と発展の科学)の見解に、太陽は熱核反応炉であるというものがある。現代の宇宙論者は、継続的に爆発し続けている水素爆弾が太陽であり、そこでは高温・高圧の下、水素がヘリウムに転換されている、と述べている(水素は最初の元素であり、ヘリウムは2番目である)。

 熱核星モデルは、ニュートンの万有引力の考えに基づいており、星の重力が物質同士を押し付けている。水素爆弾のように、膨大な求心力(内向き、陽性な力)が高温、高圧を生み出す。この力により原子が分裂し、後に融合する。このプロセスを通じ膨大なエネルギーが放出され、熱、光、荷電粒子、放射線(陰性)が生まれる。
 重力モデルでは、太陽のエネルギー源は太陽自身の重力だ。太陽はその中心に質量を引き寄せている。そしていずれ、その核燃料の供給が枯渇し、燃え尽きることになる。














写真)太陽コロナが電弧を出す様子

 ところが、熱核太陽という概念は別のモデルからの挑戦に直面している。このモデルは日本のひので衛生やNASAのテミス衛生などの衛星観測だけでなく、プラズマと電気の研究に基づいている。また、太陽コロナ、太陽風、太陽黒点、月食・日食時の半影や、太陽フレア、太陽紅炎、コロナ質量放出などの劇的な出来事にも基づいている。電気太陽仮説は、太陽エネルギーの源は太陽自体ではなく、それを取り囲む電気的に帯電した媒体―銀河―だと仮定している。そのため、太陽は重力を動力とした熱核反応炉ではなく、巨大な導電体である。重力に基づく熱核太陽への批評家は、重量は実際には宇宙で最も弱い力だと指摘している―電気エネルギーは重力のおよそ1039強い。

 約70年前に、天文学者であり電気研究者のC.E.R.ブルース博士は、太陽に関する新しい仮説を提示した。彼は、太陽とは放電現象だとし、次のように主張している:

「(太陽の)光球に外観、温度、電弧のスペクトルが現れているのは偶然ではない。弧(アーク)の特徴があるのは、太陽が電弧あるいは、非常に多くのアークが連なったものだからだ。こうしたアークは、近くの蓄積された空間電荷を素早く中和し、消える。従って、それは安定的な放電ではなく、瞬間的な閃光のように見えるかもしれない。このようにアークは常に現れ、消える。太陽表面で観察される粒状帯はこの往来のためである。」

 この仮説によると、我々の銀河内に存在する大部分の空間はプラズマ(荷電ガス)を含んでいる。プラズマは電子(マイナスの電荷)とイオン化原子(プラスの電荷)でできている。プラズマ内にある全ての荷電粒子には、ボルトと呼ばれる電位エネルギーが存在する。太陽は、ヘリオ層と呼ばれる巨大なプラズマ細胞の中心に位置し、ヘリオ層は冥王星の半径の数倍にも広がっている。その半径はおよそ180km、地球から太陽までの距離の122倍とされている。

 太陽は、その周辺に存在する荷電空間よりも強いプラスの電荷を帯びている。外側からマイナス電荷の電子が太陽に入り、プラス電荷のイオンが太陽から抜け出すことで、放電プラズマ実験で観察されるのと同様のプラズマ放電が発生する。太陽は自らの内部からではなく、太陽に向かってくる我々の銀河腕から流れる電流から力を得ているのかもしれない。太陽のプラス電荷はプラズマ放電における陽極の役割を果たす。マイナス電荷である陰極は、上でみたように太陽から約180km離れたヘリオ層の端に存在する遠い空間から発生している。
(この点に関してはThe Electric Universe, by Wallace Thornhill and David Talbot, Mikimar Publishing, 2007参照)

桜沢の宇宙論
 ビッグバンなかった論や電気太陽-電気宇宙などの代替仮説は、従来のビッグバン理論や熱核太陽と比べ桜沢の宇宙論にかなり近いものだ。桜沢が定義したマクロビオティックの宇宙論では、無限の拡散性から発生する対数スパイラルの形で宇宙は絶えず現れてきている。無限という一つが空間と時間、始まりと終わり、表と裏、など我々が住む相対界を定義する無数の両極を生みだす。両極とはマクロビオティックでは陰陽と表現され、絶えまない動き、エネルギー、変化、進化を生んでいる。

 本質的に、宇宙はエネルギー、波、波動で構成されており、それらはゆくゆく凝縮し物質となる。スパイラルは内向きの(求心的な)方向に形成される。純粋で拡散的なエネルギーはますます陽性(圧縮)になり、電子、陽子、中性子などの素粒子、原子・元素の世界、植物界、そして最終的に動物と人間の世界を生成する。












写真)宇宙は対数スパイラルの良い例

 マクロビオティックの世界感では、宇宙は時間のある一地点で創生されたのではなく、桜沢と久司が名づけた「創生のスパイラル(物質化・具現化)」を通じ絶えず創生されている。宇宙は常に新しい。銀河、星、惑星は出現し、しばらくの間存在し、その後宇宙の法則に従い宇宙サイクルに消失する。新しい銀河、星、惑星がまた現れ、同じ宇宙の法則に従って振る舞う。普遍的な変化の法則―陰は陽に、陽は陰に―は、時間と空間を超越し存在する。創生のプロセスは、まさにこの瞬間にも宇宙の至るところで起こっている。そのプロセスには始まりも終わりもないのだ。

 桜沢は、スパイラルの発生は周縁、つまり外側から始まり、中心へ内向きに進むと考えていた。中心地でスパイラルはコースを逆転させ、周縁へ戻るよう外側に向かう。銀河はこのパターンに習い、我々の太陽系も同様だ。桜沢、そして後に久司道夫も、太陽のエネルギーはその内部からではなく、太陽を中心とするスパイラルの周縁から発生していると指摘していた。電気太陽仮説の擁護者は、このスパイラルをヘリオポーズ(太陽系圏)と捉え、太陽に動力を与えるエネルギーは周縁(陰)から発生するのであり、中心(陽)からではないことに同意している。太陽の動力源は電気的なものであり、重力でも原子核力でもないと主張しているのだ。

 マクロビオティックの宇宙論では、太陽系、銀河、そして宇宙自体も、外側から内へ創生されたのであり、ビッグバン理論や重量-太陽モデルのような内側から外へ、ではない。

桜沢の原理
 桜沢の宇宙論では、二つとして同じものは存在しない。常識はその事実を物語るが、これは現代の理論科学と矛盾する。理論科学では、全ての陽子も、全ての電子も、全ての中性子も、その他あらゆる素粒子も互いに同一とみなす。

 そのため、当該元素の全ての原子もまた同一と考えられている。大気中の酸素原子は全て、その他の原子同様、同じでなくてはならない。指輪内の全ての金原子は、指輪内のその他の金原子と同じでなくてはならない。玄米という穀物内のある炭素原子は、その穀類内の他の炭素原子と同じでなくてはならないだろう。

 ところが、桜沢による何も同じものは存在しないという主張は、現実界において、二つとして同じ原子あるいは素粒子は存在しないということを意味する。電子も中性子も全く同じものは存在しない。それ自身を構成する原子や素粒子は、まるで雪片や葉っぱ、人間の声、指紋のようなものだ。基本的なパターンを共有するが、互いに全くユニークなものだ。

 したがって、メアリーの金の指輪内の原子と素粒子は、ジェニファーのそれとは同一ではない。米という各穀物が独特の化学構成で成り立っているだけでなく、原子、素粒子も全く独特なものだ。それぞれの穀物には、独特の原子と素粒子プロフィールがある。非同一性の原理は宇宙のあらゆる現象に当てはまる。

 原子核内の陽子はプラスの電荷を帯びている。周縁を周回している電子はマイナスの電荷を帯びている。中性子は電荷を帯びず、電気的に中性である。承知の通り、二つのプラス電荷を帯びた物体(陽性)は互いに反発しあう。陽は陽を排斥する。二つのマイナス電荷を帯びた物体(陽性)も同様に互いに反発しあう。陰は陰を排斥する。プラス電荷(陽性)はマイナス電荷(陰性)を引き付け、逆も同様である。陽性は陰性を、陰性は陽性を引き付ける。この法則に従い、地上の状況下において、プラス電荷の陽子から電荷を得ている原子核は、常に互いに排斥する。原子核は互いに融合することを妨げられている。

 マティアスが指摘したように、原子核間に存在する電気排斥力はクーロン障壁として知られている。標準物理学によると、この障壁は、非常に高温、高圧、高エネルギーという最も極限状態下でのみ突破可能である。障壁を突破し、核が融合するためには、核爆発に匹敵するほどの膨大なエネルギーが必要なのである。そのため、標準理論では低エネルギー原子転換は不可能とされているが、頭に留めておきたいことは、この想定の根拠が、全ての陽子と他の素粒子が同一という概念の上に成り立っているということだ。

 ところが、非同一性の原理は、クーロン障壁が相対的なもので、絶対的なものではないと教えている。二つとして同じ陽子が存在しないのであれば、両者間に、極わずかであっても、ある程度のひきつけあう力が存在しなくてはならない。おそらく、障壁を中和し、数パーセントの原子核が融合できる十分なくらい、熱、圧力、電気エネルギー等、外部の状態を操作することで、そのひきつけあう力を高めることが可能かもしれない。

 また、桜沢の宇宙論では表あるものには裏があると教えている。表が大きく、力強くなるにつれ、裏も同様になる。この原理はアイザック・ニュートンも主張している:「あらゆる行為(アクション)には、同程度、反対の反応(リアクション)が存在する。」そのため、二つの原子核が互いに排斥し合う際、二つは引き合ってもいる。排斥しあう力が強い程、引き合う力も強い。クーロン障壁の排斥力は強大だが、その背後にある引き合う力は同程度に強い。ここでも外部環境を操作することで、排斥のクーロン力を、同程度に強力な引き合う力に転換し、核融合を生むことができるかもしれない。

大は小を引き寄せ、小は大を引き寄せる
 反対のモノは引き合い、同じものは反発するという主張と共に、桜沢は宇宙の秩序のある定理として別のプロセスを主張した。この定理によれば、大陰は小陰を引き寄せ、大陽は小陽を引き寄せる。この定理により、我々は原子転換というプロセスを通じ、二つのプラスの電荷を帯びた陽子が融合し大きな原子となる理由が分かる。実際のQR実験の例を見てみよう。












図)リチウム(左)と硫黄(右)

 リチウムの原子核を見ると(上図左)、3個の陽子と4個の中性子で構成されている。上図右の硫黄には16個の陽子と16個の中性子が含まれている。陽子と中性子の数が元素の質量を決定し、原子を周遊する電子の数は原子番号を決める。プラスの電荷を帯びた陽子の数は、通常、マイナスの電荷を帯びた電子の数と同じであるため、原子は電気的に中性を保つ。

 リチウム原子核内の3個の陽子と4個の中性子を合算すると、質量7を得る。硫黄原子核内の16個の陽子と16個の中性子を合算すると、質量32を得る。(リチウムは通常7Li、硫黄は通常32Sと記述する。)このことは、硫黄の原子核はリチウムの原子核の4倍重いということを意味する。プラスの電荷を帯びた原子核は陽性であるが、硫黄はリチウムよりも4倍陽性となるため、硫黄は大陽と言え、リチウムは小陽と言える。桜沢による定理が正しければ、リチウム(小陽)と硫黄(大陽)の間には引きつけある力が存在することなる。この力がクーロン障壁を相殺し、次の原子転換の公式を説明してくれるかもしれない:

7Li + 32S → 39K

 2009年から12年までQRで行われた10回の実験で、QRチームは真空化で、銅電極上にリチウムと硫黄を設置した。電極に十分な電気が帯びた結果、プラズマが発生した。実験が終わると、実験後のサンプルを集め、外部機関へ分析に出した。10回の実験中どの分析結果も、クウォーツ管内の極わずかな量を除き、実験素材にカリウムを導入していないにも関わらず、カリウムの存在を示した。カリウムの析出量は最低で3PPM(百万分の一)から最高で750PPMの範囲だった。
(実験方法はCorking the Nuclear Genie, by Edward Esko and Alex Jack, Amberwaves Press 2014”参照)


ナトリウムからカリウムへの転換実験―誤った解釈
 マティアスは、「桜沢は、実験管でナトリウムと酸素をカリウムに転換したと主張したが…残念だが、実験を再現した者はいない」と主張した。桜沢による公式は次の通りだ:

ナトリウム(23Na 酸素(16O) → カリウム(39K

 ところが、QRが実験したリチウムと硫黄をカリウムに転換する実験を注意深く観察してみると、この実験も実際には桜沢の実験と同じであることが分かる。公式は次の通りだ:

ナトリウム(23Na 酸素(16O)→リチウム(7Li)
酸素(16O)+ 酸素(16O)→硫黄(32S
リチウム(7Li)+ 硫黄(32S)→カリウム(39K

 上の公式では、ナトリウムから酸素を引きリチウムが得らえる一方、酸素と酸素が融合することで硫黄が得られる。実験ではナトリウムの代わりにリチウムが、酸素の代わりに硫黄が代用された。原子転換生成物のカリウムは桜沢の実験と、QRの実験と同じである。マティアスの主張に反し、若干異なってはいるが、桜沢の実験は「実際は」再現されていたのである。

小宇宙=大宇宙
 QRの実験で使用された真空管内の発光を見ると、QR実験管(左)と銀河系星雲(右)の側面は驚くほど似ているのが分かる。












真空管実験で我々は、宇宙空間と同様の状態を創ろうとした。両極あるいは陰陽は、銀河内および真空管内のエネルギーの流れを活発にする。電流は、数インチ離れた陽極と陰極間を流れる。同様に、10万光年離れた銀河で正反対の電荷を帯びた対極間を電流が流れる。おそらく、この非常に強く荷電したプラズマ場内において、終わりのない原子転換プロセスにおいて元素が絶え間なく生成されているのだろう。QRの実験管内においても非常に強く荷電したプラズマが存在し、無限に小さい規模で原子転換が発生しているのかもしれない。小宇宙は大宇宙と同じであり、上も下も同じなのだ。

ノン・クレド
 桜沢如一、久司道夫、QRチーム、世界中の研究者たちは皆、「ノン・クレド(何事も盲目的に信じず、自ら証明せよ)」の精神で低エネルギー原子転換の研究を行っている。桜沢如一は、この精神がマクロビオティックの実践と理解の核であると述べた。我々もクウォンタム・ラビットの研究を行う際には、この精神で行っている。

 研究を進める動機となったのは、桜沢や久司が提唱した通り、低エネルギー原子転換が現実におこるのかどうかという関心にあった。多くの初期の実験は何ら成果を示さなかったが、やがて我々が得た成果は実験を継続する励みとなった。我々の実験を描写している論説や論文は、「我々の実験結果は暫定的なものだ。低エネルギー原子転換が示唆されるが、この可能性を認めるかどうかは当然今後の研究を必要とする。」という趣旨で結ぶことが多い。

 マティアスは彼の論説で、QR実験で報告されたいわゆる原子転換生成物の最もらしい発生源としてコンタミネーションを挙げている。数年前に、アレックス・ジャック、ウッディー・ジョンソンと私がMITのピーター・ヘーゲルスタイン博士を訪れた。何十年もの低エネルギー原子転換研究の経験がある彼は、原子転換の批評家は毎回、どれほど実験結果の証拠が説得力を持つモノであったとしても、コンタミネーションを引き合いにだすと警告していた。アインシュタインはいみじくも、「事実が理論に合わないのならば、事実を変えてしまえ」と主張した。我々の多くの実験で、原子転換生成物の検出量は極わずかであるため、実験結果をコンタミネーションに帰することができるかもしれない。それでも、いくつかの実験における生成物はそれに帰するには余りにも大量に検出された。

 例えば、ある実験では、実験前に予想された通り、結果として5300PPM0.53%(0.5%以上)の非常にレアな金属(メタル)が検出された。その生成量は、南アフリカにある最も効率のよい鉱坑で生産される量の1万倍以上だ。そのような大量のレアメタルがコンタミネーションという形で実験に混入したとは考えにくい。コンタミネーションではなく、低エネルギー原子転換が、最も合理的な説明であろう。

 人生の終末に向かい、桜沢如一は熱狂的に低エネルギー原子転換の可能性に没頭した。ビル・ダフティは、1960年代にロング・アイランドで開催されたマクロビオティック・サマーキャンプでの桜沢の講義の話をしてくれた。桜沢は、物質化のスパイラル、波動から元素が生成される方法、周期表がスパイラルに書き換えることができる方法、元素の陰陽分類、ルイ・ケルブランの業績、自身の実験、未来の社会にとって原子転換が意味する重要性などを熱く語っていた。講義の最後に、後ろで聞いていた小柄の老女が立ち上がり、大きな声で質問した。「それは素晴らしわ、オーサワ先生。でも、あなたはどうやってソバを料理するのかしら?」桜沢も周りの皆も大きな笑いに包まれた。

 Macrobiotics Today誌でのぼった原子転換に関するこうした活発な議論を桜沢も歓迎するだろう。科学界の中で、このことに疑問を持ち、ましてや実験してみる研究者など稀だろう。ノン・クレドの精神で我々の実験を検証し、自身の考えをシェアしてくれたマティアスに感謝したい。


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エドワード・エスコー
クウォンタム・ラビットLLCの共同創設者。40年以上マクロビオティックを指導。低エネルギー原子転換に関して書かれたCoolFusionとCroking the Nuclear Geniw(Amberwaves Press発行)も含め、数十冊に上る本の著者・共著者。
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「Response to Transmutation-Reality or Macrobiotic Fairy Tale原子転換―現実か、マクロビオティックのおとぎ話か?に対する回答」は日本CI協会・編集部が和訳したものです。


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